社会・カルチャー戦国武将の危機管理

今川義元が使った印章「如律令」は“魔よけの呪文”

小和田哲男 / 静岡大学名誉教授

 戦国時代は印判状の全盛時代だった。印判状とは、武家や武将の印判(印章)を押した文書のこと。朱肉で押す「朱印状」のほか、「黒印状」などがある。

 印判には、武田信玄の「竜の印判」のように、竜の姿を彫っただけのものがあれば、北条氏の家印である「虎の印判」のように、図柄の虎とその下に「禄寿応穏(ろくじゅおういん)」の4文字が彫られたものもあり、文字だけのものも少なくない。織田信長の「天下布武」印は特に有名である。

 そうした印判の印文の中にはやや変わったものもあり、駿河・遠江・三河の東海3カ国を支配した今川義元の…

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小和田哲男

小和田哲男

静岡大学名誉教授

戦国大名・今川氏のお膝元で、徳川家康の隠居先でもあった静岡市で1944年に生まれる。72年、早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。専門は日本中世史。戦国時代史研究の第一人者として知られ、歴史番組でおなじみの顔。趣味は「城めぐり」で、公益財団法人「日本城郭協会」の理事長も務める。主な著書に「戦国の群像」(2009年、学研新書)、「黒田官兵衛 智謀の戦国軍師」(13年、平凡社新書)。公式サイト https://office-owada.com