海外特派員リポート

米メキシコ国境で見た“米NAFTA離脱”の影響度

清水憲司・毎日新聞経済部記者
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米国とメキシコとの国境に架かる「ワールド・トレード橋」に向かうトレーラー=米南部・テキサス州ラレドで2017年11月30日、清水憲司撮影
米国とメキシコとの国境に架かる「ワールド・トレード橋」に向かうトレーラー=米南部・テキサス州ラレドで2017年11月30日、清水憲司撮影

 トランプ米大統領が1月20日に就任1年を迎える。この間、大統領としての経験値を積んだはずだが、「米国第一」や自由貿易を否定する姿勢に変化はない。特にカナダとメキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)を「史上最悪の貿易協定」と呼び続ける。NAFTAを通じて強く結びつく米国・メキシコ国境の街を訪ねた。

3本の橋が架かる米・メキシコ国境の街

 米南部テキサス州ラレドとメキシコ北部ヌエボラレドを隔てるリオグランデ川の鉄橋を、貨物列車がゆっくりと渡っていく。川幅は狭いところで150メートルほど。コンテナ車や穀物、石油、液化石油ガス(LPG)の専用貨車が100両以上も連なり、通過するだけで20分近くかかった。

 ラレドとヌエボラレドの市街地は鉄道用、自動車用、歩行者用の3本の橋が架かり、郊外にはトラック専用の…

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清水憲司

毎日新聞経済部記者

 1975年、宮城県生まれ。高校時代まで長野県で過ごし、東京大学文学部を卒業後、99年毎日新聞社に入社。前橋支局を経て、東京経済部で流通・商社、金融庁、財務省、日銀、エネルギー・東京電力などを担当した。2014~18年には北米総局(ワシントン)で、米国経済や企業動向のほか、通商問題などオバマ、トランプ両政権の経済政策を取材した。