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「就職内定率」政府発表と就職情報会社で数字が違う謎

都内・某共学大進路指導担当

 文部科学省と厚生労働省が1月17日、昨年12月1日現在の就職内定状況を発表した。3月に卒業予定の大学生の就職内定率は86.0%で、前年同期を1.0ポイント上回り、20年前にこの調査を始めて以来、この時期での「過去最高」になったという。

 「超売り手市場の中で、今年の内定率はこれまでになく好調」というのは、何度となくニュースで流れているので、新聞やテレビ、インターネット上でのこのニュースの扱いはそれほど大きくなかった。しかし、私たち大学の就活支援担当者にとっては、この時期最も注目すべきデータだ。

自分の大学は平均より良いか悪いか

 というのも、自分が籍を置く大学の内定率が全国平均と比べて良いのか、悪いのか、その判断材料になるからだ。12月1日の調査時点からすでに1カ月半余りが経過しているとはいえ、最新の数字はやはり参考になる。

 この調査は「就職希望者に対する就職内定者の割合」で、卒業生予定者から大学院進学者を除いた数を分母とする、いわゆる「実就職(内定)率」とは違う。大学側が「この就活生は就職を希望していない」と判断すれば、分母から差し引くことができるからだ。とはいえ、大学全体の86.0%という数字は、前回10月1日現在の75.2%から10.8ポイント上昇しており、「超売り手市場」の下で数字が大幅に上積みされていることがわかる。

 この調査結果の内訳を見ると、男女別では、男子学生が85.2%だったのに対し、女子は87.0%だった。前年同期と比べると、男子は2.1ポイント上昇し、女子は0.2ポイント下落している。しかし、ここ何年かの「女子優位」の傾向は今年も続いている。一方、国公立の内定率が86.9%(前年同期と同じ)だったのに対し、私立は85.7%(1.3ポイント上昇)で、両者の差は縮まったものの、「国公立優位」は変わらない。

 これらの数字と比較すると、私が勤務する大学の水準は「まずまず」といったところだろうか。といっても、最終確定数字ではないので、引き続き今春の卒業予定者への就活支援の手を緩めるわけにはいかない。

就職情報会社の方が良い数字

 ところで、この文科省と厚労省による「官製アンケート」とは別に、就職情報会社が独自に集計し、発表している統計がある。リクルートキャリアの就職みらい研究所が昨年12月22日に発表した「2017年12月1日時点内定状況」(確報版)がそれだ。

 それによると、同時点での大学生の就職内定率は94.8%で、官製版を大きく上回っている。この場合の就職内定率は、就職内定取得人数を就職志望人数で割って計算しているという。これは前年同期を1.2ポイント上回り、昨年10月1日現在から2.7ポイント上昇している。この数字と比べると、うちの大学もうかうかとはしていられない。

 同じ12月1日時点の調査なのに、なぜこれほどの差が出るのか。就職情報会社の場合は、同社のウェブサイトのモニターに登録している学生を対象としており、もともと「就活への意識・姿勢が高い学生」の動向が反映されているとみられる。

 こうした数字に一喜一憂するのもどうかと思いながら、発表数字をにらみながら、現状分析をしている。

    ◇    ◇

 キャリアセンターは、大学生の就職活動を支援する学内組織です。キャリアセンターのベテラン職員が、学生の悩みや就活戦線の動きをつづります。毎週水曜日に掲載します。

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都内・某共学大進路指導担当

都内・某共学大進路指導担当

東京都内の共学の大学の「キャリアセンター」に勤めるベテラン大学職員。大学生の就職活動の支援や、進路指導を担当している。

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