思い邪なし

思い邪なし109 社会とともに夢に向かって(一)

北康利 / 作家

第三章 世界を見据えて

社会とともに夢に向かって(一)

 稲盛は社員に夢を持たせることも忘れなかった。

 「月商十億円を達成してハワイへ行こう!」

 そうぶちあげたのは昭和四十七年(一九七二年)のことである。前年は月商五、六億円だったから、一挙倍増という不連続への挑戦だった。

 あまりに高い目標だったため、社内から二等賞はないのかとの声が出て、

 「それなら九億円で香港。ただし八億円だったら京都の禅寺で座禅だ!」

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北康利

北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。

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