社会・カルチャー戦国武将の危機管理

「幼名が家督の証し」暗黙ルールで争いを防いだ大内家

小和田哲男 / 静岡大学名誉教授

 戦国時代、一般庶民は別として、武士だと一生の間に何度か名前を変えている。まず、生まれたとき幼名がつけられる。幼名は童名ともいう。そのあと、元服したとき、名乗り、すなわち諱(いみな)と仮名(けみょう)がつけられる。諱は実名(じつみょう)ともいう。さらに、官途・受領名でよばれ、出家すれば法名もある。

 たとえば、今川氏親を例にとれば、幼名は龍王丸(たつおうまる)で、元服して五郎氏親と名乗った。五郎が仮名、氏親が諱である。その後、修理大夫となり、出家して紹貴(じょうき)と号している。

 幼名の中には、伊達政宗の梵天丸、織田信雄の茶筅丸といったユニークなものもある。たいていはその子だけ…

この記事は有料記事です。

残り947文字(全文1238文字)

24時間100円から読める新プラン!詳しくは こちら

いますぐ購読する

または

毎日IDでログイン
小和田哲男

小和田哲男

静岡大学名誉教授

戦国大名・今川氏のお膝元で、徳川家康の隠居先でもあった静岡市で1944年に生まれる。72年、早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。専門は日本中世史。戦国時代史研究の第一人者として知られ、歴史番組でおなじみの顔。趣味は「城めぐり」で、公益財団法人「日本城郭協会」の理事長も務める。主な著書に「戦国の群像」(2009年、学研新書)、「黒田官兵衛 智謀の戦国軍師」(13年、平凡社新書)。公式サイト https://office-owada.com

イチ押しコラム

知ってトクするモバイルライフ

楽天モバイル「スーパーホーダイ」リニューアルの中身

 個人向けの格安スマホでシェア1位の楽天モバイルが、新料金プランを発表した。データ通信や音声通話の定額プランがセットになった「スー…

藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」
テロ事件の現場となった海岸沿いの遊歩道に供えられた花束(写真は筆者撮影)

テロの傷痕残る「ニース」国際観光地で知る社会の分断

 ◇モナコとニース編(3) 2017年5月。平和で賑やかなモナコ公国から、毎時2~3本あるフランス国鉄に乗って20分。ニースにやっ…

メディア万華鏡
批判を受けて撤去が決まった愛知県警の痴漢撲滅キャンペーン用ポスター=愛知県警提供

愛知「痴漢撲滅」ポスター撤去と安倍首相発言の道徳観

 あの人、逮捕されたらしいよーー愛知県警が痴漢撲滅を推進しようとして作製したポスターに対し、インターネットで「不適切だ」との書き込…

世界透視術
香港の繁華街で

香港「1国2制度」の風化と“天安門”を知らない世代

 6月4日、香港のビクトリア公園で「六四事件29周年」の追悼集会が開かれた。六四事件とは1989年、北京の天安門広場を占拠して民主…

職場のトラブルどう防ぐ?

塾講師アルバイトに「兼業禁止」の誓約書は有効か

 大学3年生のA太さん(21)は、この4月から個別指導塾の講師アルバイトを始めました。今後、就職活動や卒業論文の作成があり、短時間…