くらし高齢化時代の相続税対策

バブル時代の相続対策「変額保険」と格闘した30年

広田龍介 / 税理士

 東京都世田谷区のT子さん(68)は結婚後、敷地400平方メートルの実家で夫と両親の2世帯で暮らし、父、そして母をみとってきた。外からは順風満帆の暮らしに見えたかもしれないが、T子さんにとってこの30年はバブルの残した「負の遺産」との闘いだった。

生保・銀行が大量に売った「ハイリスク商品」

 T子さんの両親は1989年、金融機関から勧められ、契約者を父、被保険者を父、母とする変額保険に加入した。2契約の一時払い保険料は計2億円。自己資金1億円と自宅を担保に銀行から借り入れた1億円を充てた。

 変額保険は、契約者が支払った保険料を株式や債券で運用し、その運用実績によって解約返戻金や保険金の額…

この記事は有料記事です。

残り1250文字(全文1545文字)

広田龍介

広田龍介

税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。