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「アスンシオン」の街に脆弱な経済と貧富の差を見た

藻谷浩介・地域エコノミスト
アスンシオン郊外に林立する巨大モールの一つ「パセオ・ラ・ガレリア」。自家用車で来た家族連れでにぎわっていた(写真は筆者撮影)
アスンシオン郊外に林立する巨大モールの一つ「パセオ・ラ・ガレリア」。自家用車で来た家族連れでにぎわっていた(写真は筆者撮影)

パラグアイ・アスンシオン編(2)

 1974年に世界地理の本で読んで以来、いつも頭の片隅にある地名だったアスンシオン。そこで見たのは、途上国的な雑踏が皆無の閑散とした旧市街と、そのすぐ横の河畔に車で乗り付けて憩う中流層らしき人たちの、見事なコントラストだった。何がどうなっているのかを知ろうと、翌日は郊外の新興開発地を目指して歩く。

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地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。