現在の清洲城=愛知県清須市で2015年5月29日、河部修志撮影
現在の清洲城=愛知県清須市で2015年5月29日、河部修志撮影

社会・カルチャー戦国武将の危機管理

「信長の後継者は秀吉」いち早く読んだ男の決断とは

小和田哲男 / 静岡大学名誉教授

 天正10(1582)年6月27日に尾張清洲城で開かれた清洲会議の出席メンバーは、よく知られているように、柴田勝家・丹羽長秀・羽柴秀吉・池田恒興の4人である。

 ただ、織田信長生前の序列を考えると、池田恒興が4人の中に入っているのはおかしい。勝家・長秀・秀吉の3人と恒興ではランクに差があり、織田家の後継者を誰にするか、信長の遺領分配をどうするのかという重大な会議に出席できるような地位ではなかったからである。もしかしたら、秀吉が自分の意見に賛成してくれそうな恒興に目をつけ、4人のメンバーに押し込んだのかもしれない。

 恒興もそのあたりのことは承知していたとみえ、織田家の後継者として信長三男の信孝を推す勝家ではなく、…

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小和田哲男

小和田哲男

静岡大学名誉教授

戦国大名・今川氏のお膝元で、徳川家康の隠居先でもあった静岡市で1944年に生まれる。72年、早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。専門は日本中世史。戦国時代史研究の第一人者として知られ、歴史番組でおなじみの顔。趣味は「城めぐり」で、公益財団法人「日本城郭協会」の理事長も務める。主な著書に「戦国の群像」(2009年、学研新書)、「黒田官兵衛 智謀の戦国軍師」(13年、平凡社新書)。公式サイト https://office-owada.com

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