野口さん(仮名、40代男性)は、あるメーカーのエンジニアです。1カ月半ほど前の休日に子供と外で遊んでいて転倒し、左足の向こうずねの骨を骨折しました。産業医である私は、野口さんから「治療中の働き方はどうすればいいか」と相談を受けました。
当面はテレワークで
野口さんからの相談は、骨折から数日後のことでした。野口さんは左足をギプスで固定しており、移動のために松葉づえを使っていました。この数日は、大事をとって仕事を休んでいました。
会社は、新型コロナウイルスの感染防止対策のため、週の3日が出社、2日は在宅勤務(テレワーク)の勤務体制を取っています。野口さんの自宅から会社まで、徒歩と電車で1時間ほどかかります。
野口さんは松葉づえに慣れておらず、家の中の移動に苦労していました。電車に乗ることも不安でした。しかし「骨折していることを除けば体は問題ないので、当面はテレワークだけで仕事ができればと思っています」といいます。
通勤中のけがは労働災害
野口さんは主治医から、1~2週間は左足を地面につけないよう指示を受けていました。また、完治してギプスと松葉づえが外れるまでには1カ月~1カ月半かかるだろうと言われていました。
今の状況で多くの人が行き交う道を歩くのは難しく、転倒などすればさらにけがをするリスクがあります。通勤中であれば「労働災害」になります。
働く上で「安全に出社できること」は、…
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