
府中病院総合診療センター長
つむら・けい 大阪府出身。1977年大阪市立大学医学部を卒業後、国立循環器病センター(現・国立循環器病研究センター)に心臓内科レジデントとして勤務。その後の28年間は大阪市立大学医学部教員として、学部学生、大学院学生、研修医、指導医、教員の指導と医学部カリキュラムの企画と作成に携わった。診療面では循環器内科をベースとしつつ、早い時期から原因疾患の判別が困難な症例で、診断を担当する総合診療医として従事。研究面では、各種疾病のリスクファクターについての臨床疫学研究を行い、ランセット(Lancet)など欧米医学誌で発表してきた。2014年1月から現職。総合診療医として地域医療に関わるとともに、初期、後期研修医の指導を担当、臨床研修室顧問も兼任する。地域医療を充実させるため院内に家庭医療専門医後期研修プログラムを立ち上げるなど、診療と教育をリンクさせた活動を現在も続けている。府中病院ウェブサイト
専門家・執筆者記事 26件
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千変万化の結核~病名の数が増えた理由
教養としての診断学
◇芸術作品に登場する「結核」という病の描かれ方【3】 この連載で以前掲載した「世界を二つに分ければ、見えてくる」の記事で、…
2018年10月2日
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小説「魔の山」にみる100年前の結核診断
教養としての診断学
◇芸術作品に登場する「結核」という病の描かれ方【2】 トーマス・マンの「魔の山」は1924年に発表されたドイツの小説で、前…
2018年9月12日
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「風立ちぬ」で描かれた肺結核は過去の病気?
教養としての診断学
◇芸術作品に登場する「結核」という病の描かれ方【1】 「風立ちぬ」という言葉を聞いて何を思い出すでしょう。松田聖子さんの歌…
2018年5月1日
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「レナードの震え」の本質を見抜く視診
教養としての診断学
◇診断学は時空を超える【6】 あなたが医師にかかる理由はなんですか? 「体がかゆい」とか「喉が痛い」といった自覚症状でしょ…
2018年2月7日
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カズイスチカ~見て診断は昔も今も基本の「き」
教養としての診断学
◇診断学は時空を超える【5】 森鴎外は、「舞姫」「高瀬舟」「雁」など多くの短編小説を著作し、童話作家アンデルセンの小説を「…
2017年11月29日
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権威が妨げた産褥熱予防とアンナ・カレーニナ
教養としての診断学
◇診断学は時空を超える【4】 小説には、その時代の風俗が的確に描かれています。架空の人物である源氏物語の葵の上が「肺塞栓(…
2017年10月4日
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「騎士団長殺し」に見る時を味方にした診断学
教養としての診断学
◇診断学は時空を超える【3】 前々回、前回と2回にわたって、時間をさかのぼり、過去の人物(や過去に作られた架空の物語の人物…
2017年6月29日
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上杉謙信の命を奪った?沈黙の病気
教養としての診断学
◇診断学は時空を超える【2】 マーティン・スコセッシ監督の映画「沈黙-サイレンス-」が、2017年1月に劇場公開されました…
2017年5月9日
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葵の上はなぜ死んだのか?
教養としての診断学
◇診断学は時空を超える【1】 あたりまえのことですが、昔も病気はありました。現代のような医学知識、医療技術がなかった頃はど…
2017年3月8日
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銀行強盗に学ぶ病名診断の最短ルート「サットンの法則」
教養としての診断学
急な便秘、大腸がん?どんな検査を受ければ… 外来診察室での医師と患者の会話です。患者:「便秘がひどいんです。これまで便秘なん…
2017年1月25日
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「診断メーター」の針が示す病名は?~ベイズの定理
教養としての診断学
「推論」という言葉の意味は「ある事実をもとにして、他の事をおしはかること。推理や推定を重ねて結論を導くこと」(大辞林)とさ…
2016年12月9日
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「オッカムのかみそり」で複雑な症状を診断
教養としての診断学
診断学で好まれて使われる原理に「オッカムのかみそり」があります。一見複雑に見える事柄でも、複雑さを引き起こしている枝葉末節…
2016年10月13日
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体に表れる心の不調と「2人のホームズ」
教養としての診断学
ある大規模な病院の総合診療科外来。そこでの後期研修医(注1)と彼を指導する指導医の会話から、今回のお話は始まります……。後…
2016年9月6日
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「患者の世界」に入るための言葉を探す−津村圭さん
連載陣インタビュー
◇医療プレミア連載陣インタビュー【10】 病気とその治療法ではなく、「病気か否か」そして「どんな病気か」の見極め方を紹介す…
2016年8月25日
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健診で出た「異常」これは病気?
教養としての診断学
最近、人間ドックなどの健康診断や、診療所・病院で血液検査を受けた際、その結果の値が書かれた報告書を患者さんに渡す機会が増え…
2016年7月20日
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腫瘍マーカーが高い人はがん?
教養としての診断学
健康診断や人間ドックで「腫瘍マーカー」を測定してもらったことはありませんか? 腫瘍マーカーは、がん細胞に対する体の反応によ…
2016年6月8日
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頭部CTで異常が無いのにくも膜下出血?!
教養としての診断学
医学知識が増えると、医療従事者である皆さんが自ら病気に気づくきっかけになることがあります。一方で、得た知識に振り回されて「…
2016年5月7日
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「白衣を着ていない人は、医師ではないと言い切れる?」情報の感度とは
教養としての診断学
◇症状と検査データの「パワー」を知る【後編】 大きな病院に行き、フロアを行き交う大勢の人の中から、医師を見つけたい時、「白…
2016年4月2日
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「病院にいる白衣の人は本当に医師?」情報の特異度とは
教養としての診断学
◇症状と検査データの「パワー」を知る【前編】 皆さんは「白衣を着て仕事をする職業は?」と尋ねられたら、なんと答えるでしょう…
2016年2月22日
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世界を二つに分ければ、見えてくる
教養としての診断学
日常生活において皆さんの健康を維持するには、「病気か? 病気でないか?」という二者択一で判断をしていけば、ほぼことが足りま…
2016年1月28日
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病気に名前をつける理由
教養としての診断学
世の中にはたくさんの病気があります。この連載は、患者さんの訴えをもとに確率的な方法で「病名を絞り込む」現代の診断学の流れを…
2015年12月25日
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「使いやすい引き出し」にある知識の使い方〜利用可能性ヒューリスティック
教養としての診断学
◇テレビを見て「私はこの病気だ!」と思う方へ テレビの医療情報番組を見て、「この症状は自分の病気のことだ、間違いない!」と…
2015年11月25日
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直感・第六感は病の正体に近づけるか?〜ヒューリスティックを使った診断
教養としての診断学
◇「半年間、頻繁に38度の熱が出る」と言った男性は…… 以前、職場のコンピューターの修理を依頼した時のことです。オフィスに…
2015年10月27日
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診断学とフィギュアスケート〜アルゴリズムの使い方〜
教養としての診断学
昨年フィギュアスケートの競技生活から引退した町田樹選手は、難解な用語をインタビューで用いることで有名です。ある時、テレビの…
2015年8月18日
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ドクター・グーグルを知っていますか?
教養としての診断学
◇病名が全く思いつかない あなたが何かの病気にかかったとき、多くのケースであなたの体には何かしらの症状が表れます。体が伝え…
2015年7月4日
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「肝臓に虫がいる?!」あなたならどうしますか
教養としての診断学
◇〜俺の話を聞け〜 医学部では、外来初診患者さんの訴えを聞いてもらう学生実習があります。私が医学部で教員をしていたある日、…
2015年6月1日