10歳若返る歩行術 -インターバル速歩- フォロー

1日1万歩は効果無し?

能勢博・信州大学教授

 私が住んでいる安曇野は槍ケ岳・穂高岳を起点とする梓川(あずさがわ)と、木曽駒ケ岳を起点とする奈良井川が合流する、犀川(さいがわ)の河川敷周辺に広がる平野です。今の季節、日中はここで発生する水蒸気が雲になって、北アルプスの峰々の全貌を見ることはできません。しかし気温が下がってくる朝夕の一時、雲の合間からそれらの峰々をのぞき見ることができます。そして、この時間帯をねらって多くの市民が「インターバル速歩」をしています。

この記事は有料記事です。

残り2049文字(全文2258文字)

信州大学教授

のせ・ひろし 1952年生まれ。京都府立医科大学医学部卒業。京都府立医科大学助手、米国イエール大学医学部博士研究員、京都府立医科大学助教授などを経て現在、信州大学学術院医学系教授(疾患予防医科学系専攻・スポーツ医科学講座)。画期的な効果で、これまでのウオーキングの常識を変えたと言われる「インターバル速歩」を提唱。信州大学、松本市、市民が協力する中高年の健康づくり事業「熟年体育大学」などにおいて、約10年間で約6000人以上に運動指導してきた。趣味は登山。長野県の常念岳診療所長などを歴任し、81年には中国・天山山脈の未踏峰・ボゴダ・オーラ峰に医師として同行、自らも登頂した。著書に「いくつになっても自分で歩ける!『筋トレ』ウォーキング」(青春出版社)、「山に登る前に読む本」(講談社)など。