昨年、私が担当する薬物依存症専門外来は、次々に受診する危険ドラッグ患者でごった返していた。

 危険ドラッグが社会問題化したのは2〜3年前からだが、私は5〜6年前には患者からうわさを聞いていた。当時「合法ハーブ」と呼ばれていたその薬物は、好ましい効果が乏しい代わりに害も少ないという詐欺めいた代物だった。ところがその後、薬物の有害性は年々強まり、最終的には覚醒剤をはるかにしのぐモンスタードラッグに成長してしまった。

 なぜこうした変化が生じたのか。規制の影響は無視できないだろう。危険ドラッグとは、既に規制された薬物…

この記事は有料記事です。

残り624文字(全文881文字)

松本俊彦

松本俊彦

国立精神・神経医療研究センター部長

まつもと・としひこ 国立精神・神経医療研究センター病院精神科医師、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部部長、精神保健指定医、精神保健判定医、精神神経学会精神科専門医・指導医。

イチ押しコラム

無難に生きる方法論
元気に体操をする高齢者

「元気なうちの意思表示」で不要な身体拘束を避ける

 介護施設での虐待や拘束が大きな問題となっている。職員による暴力などの虐待はもちろんあってはならないことだが、身体拘束については、…

超高齢化時代を生きるヒント
高齢になった時だれが介護をしてくれるのか

「家族介護はいつか破綻」在宅医が見たつらい現実

 私が在宅医療を始めた30年近く前、千葉県の南房総地方では、多くの患者さんは家族に愛され、家族は「私がこの人を見てあげるんだ」とい…

医をめぐる情景

夏の恋への不安を歌った「胸騒ぎの腰つき」

楽曲「勝手にシンドバッド」(1978年)  湘南を舞台に恋を歌った歌詞、にぎやかで明るいサウンド。サザンオールスターズを一躍有名に…

旅と病の歴史地図

「最強の感染症」狂犬病のリスクはイヌだけじゃない

ギネス第1位の感染症 少し前のギネス世界記録に「最も致死率の高い感染症」というカテゴリーがありました。ここにランキングされていたの…

人類史からひもとく糖質制限食

糖質含むカロリー制限食では糖尿病を防げない?

 福岡県久山町は、福岡市の東に隣接する人口約9000人の町です。九州大大学院のチームが1961年以来、40歳以上の町民を対象に脳卒…

Dr.林のこころと脳と病と健康

演技性パーソナリティー障害のうそが肥大する土壌

 ◇うそつきは病気か【5】 自分を実際よりよく見せるためにうそをつくのは、誰でもある程度までならすることです。ではそういう普通の人…

Dr.米井のアンチエイジング・セルフチェック チャートでわかる、あなたの機能年齢 北海道大学COI×医療プレミア