病気を知る笑顔をつくる おなかの医学

ありふれた症状の新しい病気「機能性ディスペプシア」

尾高健夫 / 尾高内科・胃腸クリニック院長

 近年になって新しく概念が確立したおなかの病気の一つに「機能性ディスペプシア」があります。正式な名称が「Functional Dyspepsia」なので、頭文字をとって「FD」と呼ばれます。年代は30〜50代の比較的若い成人が中心で、男性より女性、途上国より先進国に多い病気です。

症状は4人に1人が月2回以上経験

 ディスペプシアとはあまりなじみのない言葉でしょう。これは、みぞおちの痛み、胃もたれ、吐き気など、胃・十二指腸の消化機能が低下しているように感じる症状を総称した医学用語で、日本人の4人に1人が月2回以上は感じているといわれます。「消化不良」と和訳している辞書もあります。つまり、ありふれた症状なのですが、こうした症状があると食べることを楽しめなくなり、QOL(生活の質)が低下してしまいます。

 ディスペプシア症状は胃炎でも胃潰瘍でも起こります。しかし、FDと診断するのは▽6カ月以上前から断続…

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尾高健夫

尾高健夫

尾高内科・胃腸クリニック院長

おだか・たけお 1989年島根医科大学(現・島根大学医学部)卒業後、千葉大学医学部第1内科(現・消化器・腎臓内科学)入局。千葉県立東金病院内科医長、東邦大学医療センター佐倉病院内視鏡治療センター講師、おゆみのクリニック(千葉市)消化器科部長などを経て、2014年千葉市内に尾高内科・胃腸クリニックを開設。長く消化器疾患と内視鏡検査の専門医として診療にあたり、特に胃腸疾患では内視鏡による早期がんの診断と治療、ヘリコバクター・ピロリの除菌治療、胃食道逆流症、便秘・下痢症など幅広い疾患を対象に治療と研究を行ってきた。モットーは「人として優しく、医者として明るい医療」。科学的エビデンス(証拠)と自身の経験による知識をバランスよく、わかりやすい言葉で患者に伝えることに心を砕いている。

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