この原稿がアップされる頃は信州の山々にも初雪でしょうか。この時期になると若いころ通った上高地の風景を思い出します。新雪の槍ケ岳、穂高岳の登山を終え、小雪の舞う中、すっかり葉を落としてしまった落葉松林の中を河童橋に急ぎます。途中、通過していく山小屋が冬支度のため、扉や窓をふさいでいるカナヅチの音を聞いているとなんとも慌ただしい気持ちになります。今年はこれでおしまい、また来年おいで、と山がいっているようで、人とのかかわりを断ち切るように山が変貌するこの時期が私は好きです。

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能勢博

能勢博

信州大学教授

のせ・ひろし 1952年生まれ。京都府立医科大学医学部卒業。京都府立医科大学助手、米国イエール大学医学部博士研究員、京都府立医科大学助教授などを経て現在、信州大学学術院医学系教授(疾患予防医科学系専攻・スポーツ医科学講座)。画期的な効果で、これまでのウオーキングの常識を変えたと言われる「インターバル速歩」を提唱。信州大学、松本市、市民が協力する中高年の健康づくり事業「熟年体育大学」などにおいて、約10年間で約6000人以上に運動指導してきた。趣味は登山。長野県の常念岳診療所長などを歴任し、81年には中国・天山山脈の未踏峰・ボゴダ・オーラ峰に医師として同行、自らも登頂した。著書に「いくつになっても自分で歩ける!『筋トレ』ウォーキング」(青春出版社)、「山に登る前に読む本」(講談社)など。

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