鎌を手に、島のお年寄りから野菜の収穫方法を教わる研修医の先生。体験から島の生活を学んでもらっています=筆者提供
鎌を手に、島のお年寄りから野菜の収穫方法を教わる研修医の先生。体験から島の生活を学んでもらっています=筆者提供

健康に暮らす孤島の小さな診療所から

畑仕事に漁師の見習い それが医療実習になるわけ

太田龍一 / 沖縄県立南部医療センター付属南大東診療所長

 南大東診療所には、医療系の学生や研修医の方々が毎年10〜20人も実習に来られます。私が島に赴任した当初は、診療所内で行う日常診療などの実習がメインでしたが、今は地域のいろいろな方々にご協力いただき診療所外での実習機会を増やしています。

離島の生活を知ってもらうための実習カリキュラム

 たとえば島のデイサービス施設を見学してもらい、離島の高齢者を支える仕組みを学んでもらったり、保健師と同行してお年寄りのお宅を訪問してもらい、高齢者の生活を実際に目で見て、体験してもらったりしています。季節ごとの島の行事にも、タイミングが合えば積極的に参加してもらい、島の運動会や、年に1度の豊年祭というお祭りの相撲大会に出場した実習生もいました。

 最近は新たに、「農業実習」「漁業実習」を始めています。実際に島の農家や漁師の方に一日付き添っていた…

この記事は有料記事です。

残り991文字(全文1356文字)

太田龍一

太田龍一

沖縄県立南部医療センター付属南大東診療所長

おおた・りゅういち 大阪府出身。2004年大阪市立大学医学部入学。同大学卒業後、10年から沖縄県立中部病院プライマリケアコースで研修。13年から現職。人口約1400人の南大東島で唯一の医師として、島民の日常的な健康管理から救急医療までを一手に担う。趣味は読書とランニング。毎年秋に開かれる島の運動会、駅伝大会への参加を目指し、鋭意トレーニング中。

イチ押しコラム

人類史からひもとく糖質制限食

糖質含むカロリー制限食では糖尿病を防げない?

 福岡県久山町は、福岡市の東に隣接する人口約9000人の町です。九州大大学院のチームが1961年以来、40歳以上の町民を対象に脳卒…

無難に生きる方法論

高齢化で深刻さ増す「心疾患の終末期ケア」

 私の専門分野である循環器科をめざす若い医師が減っているという。循環器科の治療対象は心血管の病気、いわゆる心筋梗塞(こうそく)や大…

旅と病の歴史地図

「海外出張183日」高裁が過労死を認めた理由

 ◇首相の外遊は過重労働? 政治家の海外出張を「外遊」と呼びます。その字を見ると遊びのようにとられますが、この「遊」は「旅」を意味…

超高齢化時代を生きるヒント

「痛みと医療費」二重に苦しむ若年がん患者たち

 高齢化社会をどう生きるか、高齢化社会を支える仕組みが今後どうなるのか--本連載はこれらを中心にお伝えしていますが、若い人から「高…

医をめぐる情景
ドクターヘリで搬送され、救命救急センターに移される負傷者=ドラマのロケ地でもある千葉県印西市の日本医科大千葉北総病院で

障害があっても強く生きる患者と、勇気もらう医師

 ◇ドラマ「コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-」第3シーズン(2017年) 事故で突然、大切な身体機能を失うことがある。不意に…

Dr.林のこころと脳と病と健康

演技性パーソナリティー障害のうそが肥大する土壌

 ◇うそつきは病気か【5】 自分を実際よりよく見せるためにうそをつくのは、誰でもある程度までならすることです。ではそういう普通の人…

Dr.米井のアンチエイジング・セルフチェック チャートでわかる、あなたの機能年齢 北海道大学COI×医療プレミア