MMJ編集長のニュースな医学

水痘ワクチン開発した日本人

高野聡・毎日新聞 医療福祉部編集委員
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 2014年10月から公費負担による定期接種となった水痘ワクチン。前年12月、その方針決定を報じる記事を読んだ時、皮肉な巡り合わせに思わず声を上げた。1週間ほど前、同じ社会面にそのワクチン開発者である大阪大名誉教授、高橋理明(みちあき)さんの訃報が載ったばかりだったからだ。

 高橋さんは米国留学中、幼い長男が水痘(水ぼうそう)に感染した際、苦しむ様子を見守るしかなかった経験を機に、水痘ワクチンの開発を決意した。帰国後、大阪大微生物病研究所で完成させたワクチンは1974年、名古屋市の病院で水痘が発生した際に腎臓病の小児23人に初めて接種され、副作用もなく、流行を阻止することに成功した。

 通常の水痘は高熱や発疹を起こし、1週間ほどで治るが、腎臓病の子どもが感染すると重症化しやすい。当時…

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高野聡

毎日新聞 医療福祉部編集委員

たかの・さとし 1989年毎日新聞社入社、地方支局勤務などを経て96年、東京本社科学環境部。医療・医学担当として病原性大腸菌O-157の集団感染、臓器移植法案および法成立後の1例目脳死移植などを取材。2009年新型インフルエンザを大阪本社科学環境部で取材。10年10月よりMMJ編集長、16年4月より医療福祉部編集委員。