患者から学ぶ読んでみた -認知症ブックガイド-

「認知症の人が安楽死する国」

認知症予防財団

 タイトルは刺激的だが、著者は安楽死を積極的に勧めているわけではない。むしろ宮城県出身者の一人として東日本大震災で家族を失い悲しんでいる人々に涙し、救いの手を差し伸べ、命の大切さを説いて回っているのである。

 出版の動機は、長年連れ添ったオランダ人の精神科医の妻が亡くなる前に、被災地の人々が苦しむ姿を見て「オランダで心の悩みがどう扱われているか知ってほしい」と夫にオランダの医療と介護、福祉の本を書くよう勧めたこと。

 助け合いが社会の基本になっているオランダでは、その一方で自己責任も求められ、そのバランスの上に、安楽死も認められている。もちろん本人が希望すればだれも可能というわけではない。認知症の人の意思が明確であり、複数の医師がそれを確認していること、さらに認知症の進行が本人に耐えがたい苦痛であることが証明されているなど一定の要件が求められている。

 両国の事情を照らし合わせることで日本の課題が見えてくる。

(後藤猛著/1800円+税/雲母書房)

認知症予防財団ウェブサイトから】

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認知症予防財団

認知症予防財団

認知症の予防・治療に関する調査研究および社会的な介護体制づくり、介護家族への支援活動などを行い、豊かで明るい希望に満ちた長寿社会の実現をめざす公益財団法人です。1990年3月28日、毎日新聞創刊120周年記念事業として毎日新聞社が提唱、医学会や医師会、経済団体連合会などの協力を受け、厚生大臣の許可を得て設立されました。公式サイトhttps://www.mainichi.co.jp/ninchishou/

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