病気を知る教養としての診断学

頭部CTで異常が無いのにくも膜下出血?!

津村圭 / 府中病院総合診療センター長

 医学知識が増えると、医療従事者である皆さんが自ら病気に気づくきっかけになることがあります。一方で、得た知識に振り回されて「この症状は病気ではないか?」と過剰な心配の種になることも考えられます。こんな状況を考えてみましょう。

「この頭痛はくも膜下出血のせい?」不安が募ったあなたは……

 あなたはその日、朝から頭が痛くなりました。しかし仕事はたまっているし、症状は軽いので放置していました。するとだんだん痛みが強くなってきます。ふと「医療プレミア」の以前の記事を思い出し、「この頭痛はくも膜下出血が原因ではないか!」と気になり始めました。以後は心配で気もそぞろ、仕事に集中できません。そこで意を決し、会社を早退して、救急病院に行き診察を受けました。

 医師には「頭部CT(コンピューター断層撮影)では異常はありません。大丈夫です」と説明されて、一安心…

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津村圭

津村圭

府中病院総合診療センター長

つむら・けい 大阪府出身。1977年大阪市立大学医学部を卒業後、国立循環器病センター(現・国立循環器病研究センター)に心臓内科レジデントとして勤務。その後の28年間は大阪市立大学医学部教員として、学部学生、大学院学生、研修医、指導医、教員の指導と医学部カリキュラムの企画と作成に携わった。診療面では循環器内科をベースとしつつ、早い時期から原因疾患の判別が困難な症例で、診断を担当する総合診療医として従事。研究面では、各種疾病のリスクファクターについての臨床疫学研究を行い、ランセット(Lancet)など欧米医学誌で発表してきた。2014年1月から現職。総合診療医として地域医療に関わるとともに、初期、後期研修医の指導を担当、臨床研修室顧問も兼任する。地域医療を充実させるため院内に家庭医療専門医後期研修プログラムを立ち上げるなど、診療と教育をリンクさせた活動を現在も続けている。府中病院ウェブサイト

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