くも膜下出血は、働き盛りの世代に多い代表的な脳血管障害です。発症後いかに早く治療を始めるかが、その後の状態を決める大きな要因になります。突然の激しい頭痛以外にも、前兆として風邪をひいたときのような頭痛や吐き気が表れることもあります。それを見逃さないようにしましょう。

出血が少ないうちの治療で社会復帰可能

 くも膜下出血は、“突然ハンマーで殴られたような”とか、“これまで経験したことのない”と形容される激しい頭痛が特徴です。これに吐き気や嘔吐(おうと)を伴います。さらに意識障害があったら、この病気が疑われます。

 しかし、なかにはもっと軽い症状で始まる人がいます。この病気は出血が少ないうちに治療できれば、ほとん…

この記事は有料記事です。

残り2309文字(全文2615文字)

工藤千秋

工藤千秋

くどうちあき脳神経外科クリニック院長

くどう・ちあき 1958年長野県下諏訪町生まれ。英国バーミンガム大学、労働福祉事業団東京労災病院脳神経外科、鹿児島市立病院脳疾患救命救急センターなどで脳神経外科を学ぶ。89年、東京労災病院脳神経外科に勤務。同科副部長を務める。01年、東京都大田区に「くどうちあき脳神経外科クリニック」を開院。脳神経外科専門医であるとともに、認知症、高次脳機能障害、パーキンソン病、痛みの治療に情熱を傾け、心に迫る医療を施すことを信条とする。 漢方薬処方にも精通し、日本アロマセラピー学会認定医でもある。著書に「エビデンスに基づく認知症 補完療法へのアプローチ」(ぱーそん書房)、「サプリが命を躍動させるとき あきらめない!その頭痛とかくれ貧血」(文芸社)、「脳神経外科医が教える病気にならない神経クリーニング」(サンマーク出版)など。

イチ押しコラム

無難に生きる方法論

便利家電と「女性のうつ」の深い関係

 女性のうつ病の初発症状には、「夕食の献立を思いつかない」が多い。特に専業主婦に起きやすいとされる。本人ではなく家族が気づいて受診…

医をめぐる情景

「失恋でうつ」の友人を励ますのはいけないこと?

 ◇楽曲「元気を出して」(1984年) 竹内まりやが作り、歌った「元気を出して」は、失恋して落ち込んだ女友だちを女性が励ます歌だ。…

人類史からひもとく糖質制限食

「正常範囲内の高血糖」でも全がんリスクが高まる

 国立がん研究センターがん予防・健診研究センター・予防研究グループが2015年、興味深い論文を発表しました。翌年には英文医学雑誌に…

旅と病の歴史地図
海外に出国する人たちでにぎわう出発ロビー=成田空港で2018年8月10日午前10時9分、小川昌宏撮影

旅先でつらい「旅行者下痢症」を薬で止めていい?

 海外旅行中に起こる下痢を「旅行者下痢症」と呼びます。発展途上国に1カ月間滞在すると半数近くの旅行者がかかるとされており、頻度が大…

超高齢化時代を生きるヒント

アルバイト医師が回す「在宅医療クリニック」の闇

 医学部5年生だった1989年の夏休み、私は実家近くにあるM先生のクリニックで1週間の実習をしていました。晴れて暑い水曜日の午後、…

Dr.林のこころと脳と病と健康

演技性パーソナリティー障害のうそが肥大する土壌

 ◇うそつきは病気か【5】 自分を実際よりよく見せるためにうそをつくのは、誰でもある程度までならすることです。ではそういう普通の人…

Dr.米井のアンチエイジング・セルフチェック チャートでわかる、あなたの機能年齢 北海道大学COI×医療プレミア