患者と医師の会話

医者「この高血圧の薬にはエビデンスがあります」

患者「では、その薬を私に使ってください」

医者「できません」

患者「えっ、どうしてですか?」

医者「あなたの病気は糖尿病だからです」

夏目漱石のかかりつけ医が日本のEBMに貢献

 ある年代以上の人なら、図書館で自分の調べたい文献を探すのに、抄録が書かれたカードを一枚一枚めくった経験があるのではないでしょうか。医学分野では、米国立医学図書館が1879年に創刊した「Index Medicus(インデックス・メディカス)」が代表的な抄録誌です。日本では、開業医の尼子四郎(同じ町内に住んでいた夏目漱石のかかりつけ医で、「吾輩は猫である」の甘木先生のモデルになった人物、出典:斎藤晴惠「尼子四郎と夏目漱石」医学図書館 2006; 53: 60-64.)が1903年に抄録誌(医学中央雑誌)を創刊しています。

 情報技術(IT)の発達により、抄録誌は電子化されてCD-ROMになり、さらにオンライン化されました…

この記事は有料記事です。

残り1395文字(全文1822文字)

北澤京子

北澤京子

医療ジャーナリスト/京都薬科大学客員教授

きたざわ・きょうこ 医療ジャーナリスト、京都薬科大学客員教授。著書に「患者のための医療情報収集ガイド」(ちくま新書)、訳書に「病気の『数字』のウソを見抜く:医者に聞くべき10の質問」(日経BP社)、「過剰診断:健康診断があなたを病気にする」(筑摩書房)

イチ押しコラム

無難に生きる方法論

季節の変わり目の「めまい、耳鳴り」は気象病かも

 秋が深まり、冬の寒さに切り替わる11月は寒暖の差が大きく、体調を崩す人が多い。寒暖の差が大きいと自律神経が乱れ、めまいや耳鳴り、…

人類史からひもとく糖質制限食

糖質含むカロリー制限食では糖尿病を防げない?

 福岡県久山町は、福岡市の東に隣接する人口約9000人の町です。九州大大学院のチームが1961年以来、40歳以上の町民を対象に脳卒…

旅と病の歴史地図

「海外出張183日」高裁が過労死を認めた理由

 ◇首相の外遊は過重労働? 政治家の海外出張を「外遊」と呼びます。その字を見ると遊びのようにとられますが、この「遊」は「旅」を意味…

超高齢化時代を生きるヒント

「痛みと医療費」二重に苦しむ若年がん患者たち

 高齢化社会をどう生きるか、高齢化社会を支える仕組みが今後どうなるのか--本連載はこれらを中心にお伝えしていますが、若い人から「高…

医をめぐる情景
ドクターヘリで搬送され、救命救急センターに移される負傷者=ドラマのロケ地でもある千葉県印西市の日本医科大千葉北総病院で

障害があっても強く生きる患者と、勇気もらう医師

 ◇ドラマ「コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-」第3シーズン(2017年) 事故で突然、大切な身体機能を失うことがある。不意に…

Dr.林のこころと脳と病と健康

演技性パーソナリティー障害のうそが肥大する土壌

 ◇うそつきは病気か【5】 自分を実際よりよく見せるためにうそをつくのは、誰でもある程度までならすることです。ではそういう普通の人…

Dr.米井のアンチエイジング・セルフチェック チャートでわかる、あなたの機能年齢 北海道大学COI×医療プレミア