腸内細菌とおなかの健康【前編】

 おなかの健康は全身の健康に影響を及ぼします。その、おなかの健康と深く関わっているのが腸内細菌。今回から2回にわたって、腸内細菌の働きや、よい腸内環境を保つ方法などについて解説します。前編は腸内細菌の働きです。

“悪役”あっての善玉菌

 私たちの腸の中にはたくさんの細菌がすんでいます。その種類や数については諸説ありますが、約300種類、100兆個とするのが一般的です。重さにすると約1kgにもなります。この多種多様で膨大な数の細菌が腸一面に広がっている様子は、さまざまな花が咲き乱れる花畑を思わせることから、植物群集を指す分類学の用語で、ギリシャ神話の花の女神の意味もある「フローラ」を用いて「腸内フローラ」と呼ばれています。

 この場合の腸とは、主に大腸を指します。大部分の細菌がすみかにしているのは大腸です。小腸では、大腸に…

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尾高健夫

尾高健夫

尾高内科・胃腸クリニック院長

おだか・たけお 1989年島根医科大学(現・島根大学医学部)卒業後、千葉大学医学部第1内科(現・消化器・腎臓内科学)入局。千葉県立東金病院内科医長、東邦大学医療センター佐倉病院内視鏡治療センター講師、おゆみのクリニック(千葉市)消化器科部長などを経て、2014年千葉市内に尾高内科・胃腸クリニックを開設。長く消化器疾患と内視鏡検査の専門医として診療にあたり、特に胃腸疾患では内視鏡による早期がんの診断と治療、ヘリコバクター・ピロリの除菌治療、胃食道逆流症、便秘・下痢症など幅広い疾患を対象に治療と研究を行ってきた。モットーは「人として優しく、医者として明るい医療」。科学的エビデンス(証拠)と自身の経験による知識をバランスよく、わかりやすい言葉で患者に伝えることに心を砕いている。

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