病気を知る教養としての診断学

上杉謙信の命を奪った?沈黙の病気

津村圭 / 府中病院総合診療センター長

診断学は時空を超える【2】

 マーティン・スコセッシ監督の映画「沈黙-サイレンス-」が、2017年1月に劇場公開されましたが、ご覧になられたでしょうか。舞台は江戸時代初期、リーアム・ニーソンや窪塚洋介など日米の著名な役者が出演しています。原作は1966年に刊行された遠藤周作の「沈黙」です。

語るべき症状が見えない病気を診断するには

 病気は時に沈黙します。つまり目に見える症状がない病気があります。これらは時に「沈黙の病気」と言われ、代表的なものに高血圧症、高脂血症、糖尿病(注1)などの生活習慣病があります。

 これまでこの連載で私は、患者さんから話を聞くことで、診断に役立つ情報はかなりの量を集めることができ…

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津村圭

津村圭

府中病院総合診療センター長

つむら・けい 大阪府出身。1977年大阪市立大学医学部を卒業後、国立循環器病センター(現・国立循環器病研究センター)に心臓内科レジデントとして勤務。その後の28年間は大阪市立大学医学部教員として、学部学生、大学院学生、研修医、指導医、教員の指導と医学部カリキュラムの企画と作成に携わった。診療面では循環器内科をベースとしつつ、早い時期から原因疾患の判別が困難な症例で、診断を担当する総合診療医として従事。研究面では、各種疾病のリスクファクターについての臨床疫学研究を行い、ランセット(Lancet)など欧米医学誌で発表してきた。2014年1月から現職。総合診療医として地域医療に関わるとともに、初期、後期研修医の指導を担当、臨床研修室顧問も兼任する。地域医療を充実させるため院内に家庭医療専門医後期研修プログラムを立ち上げるなど、診療と教育をリンクさせた活動を現在も続けている。府中病院ウェブサイト

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