前回は、発達障害の一例として注意欠陥多動性障害(ADHD)を取り上げました。このADHDと並んで発達障害として有名なのが対人関係の障害などがある「アスペルガー症候群」です。

 実は現在、専門家の間では、この名前は使われていません。発達障害の診断基準として世界的に使用されているのは、アメリカ精神医学会が策定している「精神疾患の診断と統計マニュアル(DSM)」ですが、2013年の改訂第5版(DSM-5)で、アスペルガー症候群を自閉症などと包括して、「自閉症スペクトラム障害(ASD)」と改めたためです。もっともDSM-5については精神科医の中でも賛否があるのが実際です。今回はASDの中の旧・アスペルガー症候群について、その特徴をお話ししたいと思います。

 日本国内には現在、アスペルガー症候群の人が人口の1%いるといわれています。この計算ならば国内には1…

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工藤千秋

工藤千秋

くどうちあき脳神経外科クリニック院長

くどう・ちあき 1958年長野県下諏訪町生まれ。英国バーミンガム大学、労働福祉事業団東京労災病院脳神経外科、鹿児島市立病院脳疾患救命救急センターなどで脳神経外科を学ぶ。89年、東京労災病院脳神経外科に勤務。同科副部長を務める。01年、東京都大田区に「くどうちあき脳神経外科クリニック」を開院。脳神経外科専門医であるとともに、認知症、高次脳機能障害、パーキンソン病、痛みの治療に情熱を傾け、心に迫る医療を施すことを信条とする。 漢方薬処方にも精通し、日本アロマセラピー学会認定医でもある。著書に「エビデンスに基づく認知症 補完療法へのアプローチ」(ぱーそん書房)、「サプリが命を躍動させるとき あきらめない!その頭痛とかくれ貧血」(文芸社)、「脳神経外科医が教える病気にならない神経クリーニング」(サンマーク出版)など。

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