漢方と健康 あれこれ読本

人間関係を円滑にする漢方薬

加藤士郎・野木病院副院長/筑波大学付属病院臨床教授
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子供用から認知症患者へ 抑肝散の変化

 漢方薬と西洋医学の薬の違いはいろいろ指摘されますが、特に大きな差として、漢方薬は時代によって使う目的が変化する、という点が挙げられます。こんなことは西洋薬ではなかなかありません。緑内障の治療薬にまつ毛を伸ばす効果があることが判明し、まつ毛育毛剤として使われる、というような例もまれにありますが、漢方薬では使用法が時代と共に大きく変わる、ということは比較的よくあることなのです。

 その代表例は「抑肝散(よくかんさん)」という漢方薬です。抑肝散は1556年、明の時代の中国で出版さ…

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加藤士郎

野木病院副院長/筑波大学付属病院臨床教授

かとう・しろう 1982年獨協医科大学卒後、同大第1内科(現心臓・血管内科)入局。88年、同大第1内科大学院卒。第1内科講師、宇都宮東病院副院長などを経て、09年野木病院副院長、筑波大学非常勤講師。同年、筑波大学付属病院総合診療科に漢方外来開設。10年筑波大学付属病院臨床教授。筑波大学付属病院で漢方外来に従事するととともに、主に学生、研修医を対象に漢方の教育活動を行っている。編著に「臨床力をアップする漢方ー西洋医学と東洋医学のW専門医が指南!」(中山書店)。医学博士、日本内科学会認定医、日本呼吸器学会専門医・指導医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本老年医学会専門医・指導医など。