病気を知る口から考える命と心と病

腸内細菌はほぼ無害、口腔細菌は有害のわけ

落合邦康 / 日本大学特任教授

 前々回、前回とヒトの体(特に口腔<こうくう>内と腸管内)には多くの常在菌が生息していることをお話ししました。常在菌は時に病気を引き起こしますが、体の部位によってその危険性は全く違います。口腔ケアを怠ると、口腔細菌は歯周病などの病気を引き起こします。一方で、食習慣などを配慮すれば直接ケアをしなくても、腸管内で腸内細菌が病気を引き起こすことはめったにありません。不思議ではありませんか? 今回は、その理由を説明したいと思います。

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落合邦康

落合邦康

日本大学特任教授

おちあい・くにやす 1973年、日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)獣医学科卒業。73年に日本大学松戸歯科大学(現・松戸歯学部)で副手(研究助手)となり、口腔(こうくう)細菌の研究を始める。75年に松戸歯学部助手に就任し、78~80年は米国University of Alabama at Birminghamへ留学。82年に歯学博士号を取得した。87年に松戸歯学部講師、2000~05年に明海大歯学部教授、05~15年に日本大学歯学部教授を歴任。15年4月から日本大学歯学部特任教授。エイズやインフルエンザ、アルツハイマー病と歯周病菌の関係、口腔細菌と腸内細菌の関係など、独創的でありながら人々に身近な研究で注目されてきた。著書(監修、共著)に「腸内細菌・口腔細菌と全身疾患」(シーエムシー出版)や「口腔微生物学―感染と免疫―」(学建書院)など。

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