炎天下、片付け作業が続く豪雨被災地=岡山県倉敷市真備町地区で2018年7月14日、小松雄介撮影
炎天下、片付け作業が続く豪雨被災地=岡山県倉敷市真備町地区で2018年7月14日、小松雄介撮影

医療プレミアヘルスデーニュース

屋外では「体感温度30度未満」でも熱中症に注意!

 屋外で長時間の作業に従事する人は、温度と相対湿度から算出する体感温度「熱指数」(Heat Index)が摂氏29.4度程度であっても、熱中症で死に至る可能性のあることが、米国労働安全衛生局(OSHA)のAaron Tustin氏らによる研究で明らかになった。

 同氏らが屋外作業中に熱中症になった25症例を検討したところ、死亡した14例中6例は作業時の熱指数が摂氏32.8度未満であったことが分かった。詳細は、米疾病対策センター(CDC)発行の「Morbidity and Mortality Weekly Report」7月6日号に掲載された。

厳しい暑さが続く中、作業を続けるボランティアの人たち=広島市安芸区矢野東で2018年7月15日午後1時27分、大西岳彦撮影
厳しい暑さが続く中、作業を続けるボランティアの人たち=広島市安芸区矢野東で2018年7月15日午後1時27分、大西岳彦撮影

 この研究でTustin氏らは、2011~2016年に屋外での勤務中に発生した熱中症の25症例に着目。このうち14例が死亡した。それぞれの症例について、熱中症のリスク因子の保有状況や熱への順化度(暑い作業環境に身体が適応できていたかどうか)、仕事量や作業負荷、服装について詳しく調べた。

降圧薬や利尿薬は脱水リスクを高める可能性

 その結果、25例中12例が肥満や糖尿病、高血圧、心疾患、降圧薬や利尿薬などの特定の薬剤や違法薬物の使用といった、熱中症のリスク因子を一つ以上保有していたことが分かった。専門家によると、降圧薬や利尿薬は身体の体液バランスに影響し、猛暑時には脱水リスクを高める可能性があるという。

 また、発症当時には、死亡した14例中13例は中等度以上の負荷がかかる作業を行っていた。服装をみると、25例中4例は通気性の悪い厚手の服を着用していた。さらに、25症例全体では、発症時の熱指数の中央値は摂氏33.3度であったが、その幅には28.3度から43.3度までばらつきがみられた。

浸水した家屋の片付けを手伝うボランティア=岡山県倉敷市真備町地区で2018年7月18日午後0時11分、幾島健太郎撮影
浸水した家屋の片付けを手伝うボランティア=岡山県倉敷市真備町地区で2018年7月18日午後0時11分、幾島健太郎撮影

 なお、今回の研究では、熱中症予防の目安として広く用いられている暑さ指標(WBGT:気温と湿度、風速、輻射熱を考慮して数値化したもの)ではなく、温度と相対湿度から算出する体感温度「熱指数」が用いられた。なお、熱中症は、特に身体が高い気温に慣れていない梅雨から夏の初めの頃が特に危険で、注意する必要があるという。

 専門家の一人で米レノックス・ヒル病院救急科のRobert Glatter氏は、数多くの熱中症患者の診療に当たった経験から、「熱中症は救急搬送が必要な危険な状態だ」と強調する。

 熱中症になると体温40度以上の高熱や意識障害、大量の発汗などがみられるようになる。応急処置として涼しい場所に移し、氷水をかけるなどで身体を冷やし、体温を下げることが重要になるという。

熱中症の症状と対処法
熱中症の症状と対処法

 Glatter氏は、夏場に屋外で作業するときは厚着を避けて吸湿性や通気性のよい素材の服を選び、こまめに水分補給をすることを強く勧めている。水分補給時には塩分を含んだ経口補水液などを摂取し、脱水をもたらすカフェインの過剰摂取は避ける必要があるとしている。その他の注意点は以下のとおり。

・気温と湿度の上昇をモニター(監視)し、予防策を講じる責任者を決める

・作業を始める前に、高温多湿の作業環境に作業者の身体を慣れさせる。熱中症のリスク因子がある人には特に注意を払う。

・日陰や冷房の効いた場所でこまめに休憩する。

・水分や電解質を補給できる飲み物を準備する

災害ボランティアの服装と熱中症対策
災害ボランティアの服装と熱中症対策

(HealthDay News 2018年7月5日)Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.

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