体内時計と薬の関係(その1)

 体内時計の乱れが睡眠障害だけでなく、生活習慣病やがんなどさまざまな病気の発症リスクを高めることがわかってきました。そこで、体内時計を正常に保つことで病気を予防する工夫 (食事のタイミングなど) が研究されています。一方、残念ながら病気を発症してしまった時は薬のお世話になります。今回から3回にわたって、薬と体内時計の話題を、時間薬理学を研究する九州大学薬学研究院の楠瀬直喜先生に伝えてもらいます。1回目は、薬を飲む時間帯によって効果が変化するメカニズムです。

この記事は有料記事です。

残り2363文字(全文2607文字)

柴田重信

柴田重信

早稲田大学教授

しばた・しげのぶ 1953年生まれ。九州大学薬学部卒業、薬学研究科博士修了。九州大学助手・助教授、早稲田大学人間科学部教授などを経て、2003年より早稲田大学理工学術院教授。薬学博士。日本時間生物学会理事、時間栄養科学研究会代表。時間軸の健康科学によって健康寿命を延ばす研究に取り組む。専門は時間栄養学、時間運動学とその双方の相乗効果を健康に活かす商品・プログラム開発。田原助教との共著に「Q&Aですらすらわかる体内時計健康法-時間栄養学・時間運動学・時間睡眠学から解く健康-」(杏林書院)。

田原優

田原優

カリフォルニア大学ロサンゼルス校助教

たはら・ゆう 1985年生まれ。早稲田大学理工学部、同大学大学院先進理工学専攻卒業。博士(理学)。早稲田大学助手を経て、2015年より早稲田大学高等研究所助教、17年1月よりカリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部助教。07年より、柴田重信教授と共に、時間栄養学研究の確立に取り組んできた。また、発光イメージングによるマウス体内時計測定、ストレスによる体内時計調節などの成果も発表している。常にヒトへの応用を意識しながら、最先端の基礎研究を行っている。柴田教授との共著に「Q&Aですらすらわかる体内時計健康法-時間栄養学・時間運動学・時間睡眠学から解く健康-」(杏林書院)。

イチ押しコラム

無難に生きる方法論
 

子どもの肩こりとぜんそくは「不登校サイン」かも

 不登校の子どもの治療をしていると、患者とその親の知り合いやうわさを聞きつけた人から「うちの子どもも治療してほしい」と頼まれること…

実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-
 知られたくない恋もある

麻疹・風疹防ぐには「私生活公開」よりワクチンで

 2016年夏をほうふつさせるような麻疹の流行が広がっています。日本は15年に世界保健機関(WHO)から「麻疹の排除状態」にあると…

理由を探る認知症ケア
 

「お風呂には入りません」拒否行動の真の理由は

 ◇デイサービスでお風呂を断るNさん 軽いアルツハイマー型認知症のNさん(80代女性)は、長女一家の隣の家で1人暮らしをしています…

ボストン発 ウェルエイジング実践術
 ファストフードも「超加工食品」の一種だ

大人気だが寿命を縮める?「超加工食品」とは

 「超加工食品」という言葉をご存じでしょうか。大ざっぱにいうと、大量生産されてさまざまな加工が施され、調理しなくても簡単においしく…

超高齢化時代を生きるヒント
 

技量も経験もない「かかりつけ医」という幻想

 「かかりつけ医を持ちましょう」――。こんな言葉を聞いたことがあると思います。厚生労働省や医師会は、かかりつけ医を持つことを推進し…

Dr.米井のアンチエイジング・セルフチェック チャートでわかる、あなたの機能年齢 北海道大学COI×医療プレミア