医療プレミア無難に生きる方法論

高齢化で深刻さ増す「心疾患の終末期ケア」

石蔵文信 / 大阪大学招へい教授

 私の専門分野である循環器科をめざす若い医師が減っているという。循環器科の治療対象は心血管の病気、いわゆる心筋梗塞(こうそく)や大動脈解離、心不全などで、しかも救急患者が多い。つまり彼らは、循環器科で働くと救急患者対応が極めて多くなることを知っていて、避けているということだ。私たちが若いころは今のように働き方への配慮もなく、当直勤務で真夜中に救急対応をした上、翌日の日中は通常診療にあたるなど、24時間連続勤務もざらだった。いまは当直明けのお昼ごろには勤務を終えて帰宅できるようだが。

 たとえ当直でなくても、循環器科の医師の日常は緊張感に包まれていた。昔は主治医がすべての責任を負うシ…

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石蔵文信

石蔵文信

大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。

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