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「死の体験旅行」が生を充実させる

星野哲・ライター/立教大学社会デザイン研究所研究員
「死の体験旅行」ワークショップの様子=浦上哲也さん提供
「死の体験旅行」ワークショップの様子=浦上哲也さん提供

 誰がいつ発症するかわからない新型コロナウイルス感染の広がりで、「死」をこれまで以上にリアリティーをもって受け止めるようになったという人も多いだろう。感染拡大以前から、死とはどのようなものかを考えることによって「生」を充実させようという取り組みがあった。その一つが、横浜市のあるお寺を中心に各地で開かれている「死の体験旅行」というワークショップだ。病気になってから死を迎えるまでを疑似体験することで、自分にとって大切なものは何かを考える。感染拡大防止のため中止していたが、7月18日に再開予定だ。募集と同時に定員がすぐうまるほど人気のワークショップとはどんなものかを紹介する。いまだからこそ、死と向き合うヒントがあるかもしれない。

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ライター/立教大学社会デザイン研究所研究員

ほしの・さとし 1962年生まれ。元朝日新聞記者。30年ほど前、墓や葬儀の変化に関心を持って以降、終活関連全般、特にライフエンディングについて取材、研究を続けている。2016年に独立。立教大学大学院、東京墨田看護専門学校で教えるほか、各地で講演活動も続ける。「つながり」について考えるウエブサイト「集活ラボ」の企画・運営も手がける。著書に「寺、再起動:ゾンビ寺からの脱出!」(法蔵館)、「人生を輝かせるお金の使い方 遺贈寄付という選択」(日本法令)、「『定年後』はお寺が居場所」(同、集英社新書)「終活難民-あなたは誰に送ってもらえますか」(2014年、平凡社新書)ほか。