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新型コロナ 日米欧で広がる「自宅で抗原検査」

大西睦子・内科医
 
 

 新型コロナウイルスの感染を家庭で検査できる「抗原検査キット」が各国で広がっています。英国ではすでに家庭で毎週、検査するのが習慣化した人も多く、米国や日本は最近、個人が薬局などで購入できる制度を導入しました。新型コロナの検査といえばこれまでは「PCR検査」が主流でしたが、これと比べて抗原検査の長所、短所はどうなのでしょう。そして各国は、どんな使い方をしているのでしょうか。

 日本の抗原検査は今年9月から、薬局での販売が解禁になりました。現状、体調が気になるときにいち早く医療機関を受診するためのセルフチェックとして使用されています。ただし15種類もあって、値段はバラバラ。1回分1320~4200円は確認でき、もっと高いのもあるかも、という状況です。そして性能は「どれも大差ない」というのが、厚生労働省や大手薬局の見解でした。これについては、高垣育薬剤師が、この医療プレミ…

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内科医

おおにし・むつこ 内科医師、米国ボストン在住、医学博士。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部付属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。08年4月から13年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度授与。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に、「カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側」(ダイヤモンド社)、「『カロリーゼロ』はかえって太る!」(講談社+α新書)、「健康でいたければ『それ』は食べるな」(朝日新聞出版)。