政治プレミア 北川さんの寄稿に一言

海へのプラスチック排出抑制 「国際憲章」拒否の日本でいいのか? ご意見募集

    津田大介さん
    津田大介さん

     北川知克議員が提言されているように、世界の環境問題対策の現場で近年とみに注目を集めているのがプラスチック製品の問題です。欧州連合(EU)は、この5月にストローなどで使われる使い捨てプラスチックを禁じる規制案を加盟国に示しました。

     プラスチックごみの大半は土壌に埋める形で廃棄されるものの、自然分解しにくいという特徴があり、これがもたらす環境への悪影響が専門家の間で議論されてきました。なかでも、深刻な問題とされるのが海洋投棄されるプラスチックごみの問題です。実は、マイクロプラスチックの海洋汚染という点では、新興国だけでなく日本もこの問題の大きな当事者なのです。九州大学の磯辺篤彦教授による調査では、日本の周辺海域のマイクロプラスチックの濃度は世界平均の27倍に達しています。

     プラスチックごみを大量排出する企業に対する目も日に日に厳しくなり、米マクドナルド社は6月15日、英国とアイルランドの計1361店舗で9月よりプラスチック製ストローから紙製ストローに順次切り替えることを発表しました。2025年までに全世界全店舗でプラスチック製ストローを廃止し、ハンバーガーを包む包装紙や箱、袋などすべての製品をリサイクル可能な資源に切り替える予定です。コーヒーチェーン大手の米スターバックス社も7月9日に使い捨てのプラスチック製ストローを20年までに全店で段階的に廃止していくことを発表しています。

     日本で6月15日に成立した改正海岸漂着物処理推進法や、19日に閣議決定された第4次循環型社会形成推進基本計画は、こうした流れを受けたものと言えます。

     今年6月にカナダで行われた主要国首脳会議(G7サミット)でも海洋プラスチック廃棄物に関する議題が取り上げられ、海洋プラスチック憲章が首脳会合で採択されました。

     残念ながら日本は、米国とともにこの海洋プラスチック憲章への署名を拒否しました。なぜ、国内ではプラスチックごみ排出削減の取り組みを進めながら、G7ではそれに反する行動を取ったのか。

     政府は、「同憲章が目指す方向性を共有しつつも、生活用品を含め、あらゆるプラスチックを対象とした使用削減の実現にあたっては、市民生活や産業への影響を慎重に調査・検討する必要があることから、今回の参加を見送ることとした(中川雅治環境相、12日会見より)」と説明しています。このあたりは、北川議員の「この問題は法的処置で強制的に規制をすればすむ問題ではない。欧州ではストローの販売禁止なども始まっているが、生活と極めて密着した分野だけに、いきなり生産中止するなどの措置は簡単にできるものではない」という説明とつながります。

     それらのことを踏まえ、読者の方にはこの問題にいくつかの論点を提示したいと思います。

    (1)プラスチック問題は、企業に対する法的な排出規制で実現すべきか、情報提供を通じて消費者の意識改革で実現すべきなのか。

    (2)今回のG7サミットで海洋プラスチック憲章への署名を拒否したことをどう評価するか。

    (3)来年に日本で開催される主要20カ国地域(G20)首脳会議で、この問題に対して日本はどのようなリーダーシップを発揮すべきか。

     読者の皆さんからのさまざまなご意見をお待ちします。

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    プロフィール

    津田大介

    津田大介

    ジャーナリスト

    1973年生まれ。早大文学学術院教授。政治情報サイト「ポリタス」編集長。テレ朝チャンネル2「津田大介 日本にプラス」キャスター。著書に「ウェブで政治を動かす!」など。公式サイトhttp://tsuda.ru/。ツイッター(@tsuda)のフォロワーは160万人。