女性議員増やす「クオータ制」賛否は ご意見募集

江川紹子・ジャーナリスト
江川紹子さん
江川紹子さん

 日本で初めて女性知事が誕生したのが、2000年の大阪府知事選挙でした。分厚い「ガラスの天井」を破ったのが、太田房江さんです。しかし知事になってからも、そして参院議員となった現在も、「ガラスの壁」に幾度も直面されているようです。

 それにしても、女性議員が参加しやすいように、朝の会議の開始をわずか15分遅らせてほしいというささやかな要望すらかなわない、というのは驚きです。与党がそんな状態で、女性も働きやすい社会の仕組みを作っていくことができるのでしょうか。

 女性議員の数をうんと増やさないと、国会も社会も変わらない。そう言われて久しいのですが、状況はなかなか変わりません。

 世界の国会議員が参加する列国議会同盟(本部ジュネーブ)の今年10月1日現在のまとめによると、各国の国会(1院もしくは下院)における女性議員の割合で、日本は世界194カ国のうち162位。経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最下位です。女性の比率は、全議員のわずか1割しかありません。

 地方議会でも、女性議員の比率は徐々に増えてきたとはいえ、全国の市議会で昨年段階では14.4%です(2018年版男女共同参画白書より)。

 太田さんによれば、地方議会の女性議員たちは、候補者または議席の女性の割合をあらかじめ決めておく「クオータ制」の導入を求めているようです。この制度の発祥地ノルウェーでは、女性の政治参画に大いに効果を発揮しました。けれども太田さん自身は、これには慎重です。

 今までさまざまな障壁を経験してきた太田さんは、「女性優遇」の批判を招かず、できるだけ多くの男性にも賛同してもらえる形の方が現実的と考えているのでしょう。しかし、任意の達成目標設定だけで、どれだけ現実が変わるのだろうか、という疑問も湧いてきます。

 そこで皆さんのご意見を募りたいと思います。

1)国会や地方議会で、女性議員をどれくらいまで増やしたらいいと思いますか。

2)そのためには、どんな方策が必要でしょうか。

3)とりわけクオータ制や達成目標の設定について、どう思いますか。

4)この問題に関する、そのほかのご意見や提案。

 お待ちしています。

ジャーナリスト

1958年生まれ。神奈川新聞記者を経てフリー。95年、オウム報道で菊池寛賞。著書に「オウム事件はなぜ起きたか」「名張毒ブドウ酒殺人事件」「『歴史認識』とは何か――対立の構図を超えて」(大沼保昭氏と共著)など。ツイッター@amneris84