ボートマッチは、欧米を中心に盛んに活用されている。激しい接戦が繰り広げられた昨年の米大統領選でも、予備選の段階から15を超えるボートマッチが、それぞれ趣向を凝らし、利用を競った。
実施したのはABCテレビ、ワシントン・ポスト紙などメディアをはじめ、政治を扱うサイトや退役軍人団体など多様な団体や個人。設問は大多数が「イラク派兵の是非」からスタート。質問内容はサイトによって違うが、ほとんどが社会保障問題、地球温暖化対策、同性婚を扱う。人工妊娠中絶の是非や銃規制を取り上げるものが多いのも米国らしいところだ。
結果画面では、一致度が高い候補者がニコニコ顔で現れたり、低い候補者が画面の外に飛ばされるなど、親しみやすさやゲーム感覚を打ち出すものも。一方で、各候補者の立場や政策の解説は詳しく、投票の判断材料を提供しようというまじめな意図が感じられた。
みずほ総研の小野亮・シニアエコノミストは、米大統領選の特徴は、各陣営が政策を前面に打ち出さないことだと指摘する。「大統領選を勝ち抜くには中道層の支持が不可欠。政策を明確にすると支持が失われかねないので、イメージ重視の戦略を取る。相手を批判するCMも大量に流すので、作られたイメージに流されて投票する人も多い」という。そこで、政策を吟味するツールとして、多様なボートマッチが行われているようだ。
2009年8月12日