公開された閣僚の資産では、鳩山内閣18閣僚のうち6人が、定期預金・郵便貯金・その他の貯金とも0円とした。普通・当座預金とも公開対象ではないためとみられるが、一部の閣僚は普通預金を保有していることを認めている。従来の「国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範」に基づき、普通・当座預金は含まれないため、資産の実態を反映していない可能性がある。【篠原成行】
衆院解散当時の麻生内閣でも18閣僚のうち7人が3項目とも0円と公表している。鳩山内閣で0円としたのは岡田克也外相、長妻昭厚生労働相、赤松広隆農相、前原誠司国土交通相、北沢俊美防衛相、中井洽国家公安委員長。副大臣8人と政務官12人も0円だった。
岡田外相は05年の衆院選直後の資産公開では定期預金を2200万円と記載していたが、4年間で0円となった。中井氏も前回の郵便貯金110万円が0円になった。残る4人は前回も0円。
内閣府は「普通預貯金は流動性が高いため、対象外となっている。ここで歳費を含めた多額の資金を管理することが、政治家への国民の信頼を保つという大臣規範の趣旨に沿うとは言いにくいが、閣僚個人の良心に任せるしかない」とした。
岡田事務所は「普通預金で資金を管理したとしても、(ここに入金する)歳費の額も公表されており問題はない」とコメント。長妻厚労相は閣議後会見で「ありのままに書いたが、普通預貯金は若干ある。工夫できるところがあれば、さらに制度を進化させることも必要」と話した。
資産公開では、18閣僚のうち12人が本人もしくは扶養家族が上場株式を保有していた。最高評価額は、鳩山由紀夫首相の計57億2595万円。トヨタ自動車株を持つ直嶋正行経産相など、かつての勤務先の株式を保有する閣僚が4人と、労組出身者が多い特徴も垣間見えたが、麻生内閣に比べ高額銘柄を持つ閣僚は少なかった。
鳩山首相は、祖父が創業したブリヂストン株(1株1602円)350万株のほか、12銘柄の上場株式を保有。父が創業したイオン株(1株837円)を持つ岡田克也外相も総額1億1091万円に上った。【長野宏美】
民主党は「情報公開を進める」と公言しているのだから、普通預金などについても積極的に公開しないと前政権と変わらないということになる。民主党議員にサラリーマン出身者が多いとはいえ、普通預金などまで0円とは考えにくい。国民に政治が変わったことを示すためにも、自主的にでも公開すべきではないか。
==============
■今回定期預金などが0円だった閣僚の05年衆院選後の資産公開時
岡田克也 外相 定期預金2200万円
長妻昭 厚労相 預貯金 0円
赤松広隆 農相 預貯金 0円
前原誠司 国交相 預貯金 0円
北沢俊美 防衛相 預貯金 0円
中井洽 国家公安委員長 郵便貯金 110万円
※北沢氏は参院議員のため04年の公表時
==============
■前現内閣の閣僚と家族所有の株式評価額
●衆院解散時の麻生内閣
麻生太郎 首相 8560万円
石破茂 農相 3350万円
金子一義 国交相 2919万円
森英介 法相 2262万円
野田聖子 消費者行政担当相 2165万円
与謝野馨 財務相 2046万円
中曽根弘文 外相 1557万円
●鳩山内閣
鳩山由紀夫 首相 57億2595万円
岡田克也 外相 1億1091万円
直嶋正行 経産相 2420万円
北沢俊美 防衛相 1268万円
平野博文 官房長官 1024万円
川端達夫 文科相 1005万円
※1万円未満切り捨て。株価は22日終値。評価額1000万円以上
毎日新聞 2009年10月24日 東京朝刊