新型インフルエンザワクチンの接種が国内では10月19日、医療従事者から始まった。11月以降、妊婦や基礎疾患のある人、小児らに順次接種される。対象者は計5400万人。ただし国産ワクチンの生産量は、今年度中に2700万人分が確保できる程度。厚生労働省はワクチンの輸入を急ぎ、合わせて7700万人分をととのえる方針だ。
新型インフルエンザワクチン
新型インフルエンザの発症や症状が重くなるのを防ぐ薬。毒性をなくしたウイルスを薬剤にして感染前の人に接種し、体内にウイルスを中和する物質をつくっておく。発症をすべて抑えられるわけではなく、副作用の恐れも指摘される。
インフルエンザワクチンは1937年、有精卵でウイルスが増殖することが発見され、製造されるようになった。ただし、1回分をつくるのに1~2個必要とされるニワトリの有精卵の生産数が限られているため、国内でのワクチン製造能力は年間約2800万回分程度。不足分は輸入ワクチンをあてるが、効果を高めるための薬剤が入っているので国内で安全性のテストを行う。
インフルエンザには「タミフル」っていう薬があるよね。これはワクチンと違うの?
タミフルは予防薬でなく治療薬だ。インフルエンザの症状が出てから48時間以内にのむと、ウイルスを増殖させるたんぱく質の働きが抑えられ、早く回復するんだ。
日本でもたくさん備蓄があるそうね。でも効かないケースがあるって聞いたけど。
タミフルが効かないタイプのウイルスが、日本、デンマーク、香港、カナダなどで確認されている。ウイルス変異によって一定の割合で出現してしまうようだが、感染力は弱いとされている。もう一つの治療薬「リレンザ」には、今のところそういう報告はない。
ニュースがわかる 2009年11月号
2009年10月30日