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有権者…政治にいら立ち、あきらめの感情も

毎日新聞・立命館大ネット共同研究

 衆院選(14日投開票)に関連し、世論調査やインターネットを通じて有権者の政治に対する感情を探ったところ、いら立ちなどの否定的な感情が強いことが分かった。その多くは安倍内閣を支持していないが、内閣支持も少なくない。政治に何も感じない「無感情」層では不支持より支持の方が多く、有権者側に募ったいら立ちやあきらめの感情を野党が受け止められていない実態が「自民党1強多弱」の背景に浮かんだ。

     毎日新聞と立命館大(西田亮介特別招聘(しょうへい)准教授)は昨年、インターネットを利用する選挙運動(ネット選挙)が解禁されたのを受け、ネットという対話ツールが有権者と政治の関係に与える影響などを共同で研究してきた。昨年の参院選と東京都知事選に続く今回は、選挙への関心が高まらない背景を探るため、有権者側の政治感情に着目した。

     毎日新聞が11月29、30日に実施した電話による全国世論調査で「今の政治についてどう感じているか」を聞いたところ、「イライラする」との回答が39%で最も多く、「なんとも感じない」が24%、「かなしい」が15%で続いた。「頼もしい」は11%、「ほっとする」は4%と肯定的な回答は少なかったが、そのほとんどが安倍内閣を支持。無感情層の5割以上、「イライラ」の3割、「かなしい」の2割も支持と答えた。

     調査では衆院選で最も重視する争点も質問。景気対策を重視する人ほど政治に肯定的で、いら立ち・悲観・無感情層には社会保障や子育てなど将来への不安が強い傾向が鮮明になった。

     ネットで政党・候補者との一致度を測れる「毎日新聞ボートマッチ・えらぼーと 2014衆院選」でも政治感情を尋ねた。7日までの回答者6万1326人のうち38%が「イライラ」、22%が「かなしい」、13%が「感じない」と回答。「たのもしい」は6%、「ほっとする」は1%にとどまる。政治への関心の高い人たちが回答しているとみられるが、いら立ち・悲観層の6割以上がアベノミクスを評価しない一方、無感情層は5割以上が評価し、ここでも無感情層が安倍政権に肯定的な傾向がうかがえた。【石戸諭、大隈慎吾】

    有権者の政治感情がカギ 西田亮介・立命館大特別招聘准教授

     有権者が政治にどのような感情を抱いているかで、安倍内閣への評価や重視する政策に大きな違いがみられる。政治感情によって有権者が二分化されている現状を示しているといえよう。2000年代以降、マーケティングの手法が導入され、有権者のイメージに訴える政治が一般化した。有権者の共感をどう獲得するかが、政策論争を深める時間がない今回の選挙ではとりわけ重要だろう。

     政権支持の背景にはネガティブな感情も含まれている。与党は消極的な共感を獲得しているが、野党は感情を受け止め切れていないと解釈できる。衆院選では初めて解禁されたインターネット上の選挙運動も、現状では政策論争よりも感情に訴えるツールとして使われている要素が強い。政治家はどのようなイメージを打ち出し、有権者はそれをどう受け止めているのか。ネットと政治の関係を考える重要な論点として探っていきたい。

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