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憲法・こう考える

/2 民進 江田五月・憲法調査会長

江田五月・民進党憲法調査会長=宮武祐希撮影

首相の改憲論、認めぬ

 −−民進党は参院選で憲法問題をどう訴えますか。

 ◆安倍政権は集団的自衛権の行使を容認し、従来の憲法解釈と全く違うことをやった。安倍政権が目指す方向を、国民の力を借りて封じなければならない。

 −−安倍晋三首相のどこが問題ですか。

 ◆占領軍が作った現憲法をなきものにしたいというのが、首相の憲法観だ。それを示した自民党の憲法改正草案は、国防軍の創設や基本的人権の制約が出てくる。戦後70年の歩みを否定し、別の方向へ進めようとするもので、認められない。

 −−首相は参院選で憲法改正を問う姿勢を示しています。

 ◆首相が憲法解釈を変更する以前は、憲法を改正してもいいという世論がもう少し強かったと思う。しかし、国民が首相の姿勢を見て「これでは駄目だ」と判断し、今は改正する環境が整っていない。

 首相が内閣から国会に大号令を掛けるようでは乗るわけにはいかない。現憲法の下での歩みを正しく評価し、さらに良くするために手を加えるのはいい。民進党は改憲自体に反対ではないが、安倍首相の下では駄目だ。

 −−首相が具体的な改憲テーマを明示しないのをどう見ますか。

 ◆9条を変えて、戦争放棄と戦力不保持をなきものにしたいのではないか。

 −−自民草案にある緊急事態条項の必要性はどう考えますか。

 ◆緊急事態の際に基本的人権や地方自治を制約して、首相に権限を集中させる考え方には反対だ。緊急時には災害対策基本法など既存の法体系を整備すれば対応できる。

 −−現憲法は時代に合わない部分もあると指摘されます。

 ◆「地方自治の本旨」としか書いていないのは不十分だ。また環境権をもっと大事に扱う選択肢はあり得る。ただ、憲法を変えなければ地方自治が前に進まなかったり、環境を守れなかったりするわけではない。

 −−民進党は改憲案を出していません。党内議論をどう進めますか。

 ◆「改憲案を出さないのは無責任」と言われるが、改憲は国民と一緒に議論しながら取り組むものだ。衆参両院で3分の2を1人超えた程度で発議するのではなく、衆参の大部分の合意を得て発議すべきだ。各党が案を出して大論争するのでなく、まずは虚心坦懐(たんかい)にテーブルに着いて、合意を求めなければ成功しない。参院選で改憲勢力が3分の2に達しない状況を作り出したうえで、腰を落ち着けて議論したい。

 −−参院選「1人区」(改選数1)で野党は候補一本化を進めていますが、各党の憲法観が違います。

 ◆憲法観が違うからと、野党結集にひびを入れるのは得策でない。改憲勢力が3分の2を超えれば、改憲勢力だけで改憲をやるだろう。健全な改憲につながらず、この国の未来を誤らせる。【聞き手・朝日弘行】=つづく


 ■人物略歴

えだ・さつき

 1941年生まれ。東大卒、参院議員、弁護士、党最高顧問。衆参各院で当選4回。科学技術庁長官、参院議長、法相など歴任。

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