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名護市長選

知事選・「辺野古」に直結 告示まで1カ月

沖縄県内の選挙や辺野古移設を巡る経過

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画の是非が争点となる名護市長選(来年2月4日投開票)の告示まで28日で1カ月となった。選挙戦は、辺野古移設に反対する翁長雄志(おなが・たけし)知事が支援する現職の稲嶺進氏(72)と、移設を推進する政府・自民に加え、前回は自主投票だった公明も推す元自民系市議の渡具知武豊(とぐち・たけとよ)氏(56)との一騎打ちとなる見通しだ。選挙結果は来秋の知事選や移設計画の行方に大きな影響を及ぼすことになる。

    2陣営、前哨戦激化

     普天間飛行場の名護市辺野古への移設は2018年中に護岸工事から本格的な埋め立て工事に移行する可能性がある。こうしたなか、政府は名護市長選と来秋の知事選で勝利し、歴代内閣ができなかった普天間返還を実現するための環境を整えたい考えだ。

     菅義偉官房長官は29日、名護市を訪問する。道路整備の進捗(しんちょく)状況を視察し、辺野古の地元区長らと面会する予定だ。地元経済の振興に対する政府の積極姿勢をアピールし、辺野古移設への理解につなげたい考えだ。安倍晋三首相は27日、首相官邸で自民党の山口泰明組織運動本部長に対し、名護市長選について「しっかりやってくれ」と指示した。

     政府は名護市の稲嶺進市長の後ろ盾となっている翁長雄志知事への対抗姿勢を強めている。22日に閣議決定した18年度予算案では沖縄振興費を前年より140億円減額。振興費のうち沖縄県にとって使途の自由度が高い「一括交付金」を171億円減額し、国直轄事業の比重を高めた。政府の影響力を改めて示すとともに「辺野古反対は沖縄振興にマイナス」(政府関係者)と印象付ける狙いだ。

     名護市長選直後の2月上旬には防衛省による辺野古の埋め立て工事の入札が予定されている。政府は現在進行中の埋め立て予定海域を囲む護岸工事を来春にも終え、直ちに埋め立て工事に入りたい考えだ。

     ただ、現場海域から環境省指定の絶滅危惧種のサンゴを移植する作業は10月に沖縄県に許可申請したものの、回答までの標準的な期間とされる45日間を過ぎても県から許可が下りていない。政府は移設実現を確実にするためには、知事選での自民党系の勝利が必要と受け止めている。【秋山信一、竹内望】

    予算減額 圧力強める政府

     28日、名護市内で公明県本部から推薦状が渡されると、渡具知氏ら自民関係者は安堵(あんど)の表情を浮かべた。市内の公明票は1500~2000票ともされ、前回約4000票差で敗れた自民にとり公明推薦は勝利に向けた「絶対条件」だった。

     辺野古移設反対を前面に打ち出す稲嶺氏に対し、渡具知氏は移設の是非には言及せずに子育てや教育支援の充実を強調。同日の政策発表の記者会見でも移設に関しては「(沖縄県と政府が係争中の)裁判を注視していく」と述べただけだった。

     移設計画浮上後、辺野古移設の是非が争点となる市長選は今回で6回目。前回は政府・与党側の候補がこれまでになく移設推進を鮮明にした結果、県レベルでは辺野古移設反対の立場を取る公明の票などが取り込めずに敗れたとされる。

     自民系市議会会派の会長も務めた渡具知氏は移設を容認してきたが、出馬表明以降は持論を封印。自民側と公明側が調整を続けた結果、「辺野古」に触れずに、在沖縄海兵隊の県外・国外移転を渡具知氏の政策に盛り込むことで合意にこぎつけた。

     自民関係者は「2期8年の稲嶺市政で市民には閉塞(へいそく)感がある。生活に密着した問題を訴え、移設は争点にしない」と解説する。

     これに対し稲嶺氏を支持する市議は「米海兵隊の県外、国外移転を求めるならば、辺野古移設は不要だ。論理破綻していて市民はごまかせない」と指摘。だが、批判は強い危機感の裏返しでもあり、公明の「参戦」を受けて照屋寛徳衆院議員(沖縄2区、社民)は「4年前と状況が全く違う。勝てると思ったらうっちゃりを食らう」と警戒する。

     「名護市長選は全力投球で支援する」。移設反対の翁長知事は21日、報道各社のインタビューで語った。

     翁長知事を支える「オール沖縄」勢力は全県レベルの国政選挙で連勝しているが、県内市長選は今年に入って政府寄りの保守系候補に3連敗。4月に政府が辺野古の埋め立て作業に着手したが、翁長知事は阻止する有効な対抗策を打ち出せていない。支持者からいらだちの声も上がり、知事の求心力は揺らいでいる。

     その状況下で迎える名護の戦い。「民意」を力の源泉にして政府と対峙(たいじ)してきた翁長知事は、名護市長選勝利で「民意」をつなぎとめ、知事選に向けて反転攻勢につなげる戦略を描く。だが、敗れれば移設反対派には大打撃で、知事側近は「名護は(移設問題の)地元中の地元。知事の再選は厳しくなる」と語る。【佐藤敬一】

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