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名護市議会

子育て支援策巡り与野党攻防 背景に財源の「基地マネー」

名護市議会で野党市議からの質問を聞く渡具知武豊市長(中央)=名護市で2018年6月25日、遠藤孝康撮影

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先とされる名護市の市議会で、学校給食費や保育料を無料にする補正予算案が審議されている。無料化は2月に就任した渡具知武豊(とぐち・たけとよ)市長の公約だが、財源は辺野古移設への協力を前提に国が支給する米軍再編交付金。移設に反対する野党市議は「基地マネー」での子育て支援策を批判するが、9月に市議選を控えており、「子育て支援に後ろ向きと取られかねず、反対もしづらい」と苦渋の選択を迫られている。

 「基地を受け入れる代償として給食費を無料にすることは納得できない」。6月25日の市議会で野党会派の市議がただしたが、渡具知市長はにべもなかった。「あらゆる予算を活用して公約を実現していくということです」

 渡具知市長は2月の市長選で安倍政権の全面的な支援を受け、移設に反対してきた現職の稲嶺進氏を破って初当選。これを受け、政府は稲嶺市長時代の8年間、凍結していた米軍再編交付金の支給を再開することを決定。4月、2017~18年度分として約30億円の支給を市に通知した。

 市が市議会に提案している補正予算案はこの再編交付金を使った施策の「第1弾」だ。9月から幼稚園と小中学校の給食費、認可保育園などに通う0~5歳児の保育料を無料にし、来年4月からは医療費助成の対象を「中学生まで」から「高校生まで」に広げることを計画している。

 一方、再編交付金の支給は辺野古移設への協力が前提となるが、渡具知市長は「容認でも反対でもない。係争中の国と県の裁判の行方を見守る」と移設の是非について明言を避けている。野党会派は、渡具知市長が移設についてあいまいな姿勢を取り続けたまま、基地受け入れの「見返り」である再編交付金を活用しようとすることに批判を強めている。

 市議会(定数27)は現在、辺野古移設に反対する野党が過半数の14人を占め、7月2日の採決で全員が反対すれば今回の子育て支援に関する議案は否決される計算だ。だが、野党会派は対応に頭を悩ませている。

 最大の理由は9月9日投開票の市議選を控えていることだ。「基地マネー」を理由に補正予算案に反対すれば、市議選で対決する市長派から「子育て支援に後ろ向きだ」と批判を受けるのは確実。政府が繰り出す「アメとムチ」の政策を前に、ある市議は「反対すれば『なぜ』と批判され、賛成すれば移設反対の人たちの支持を失う。どちらを選んでも厳しい」と漏らす。【遠藤孝康】

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