OB・OGに聞く

初代優勝の重み実感 気持ちだけで終わらせないで

Sカレ1期総合優勝 立命館大西川ゼミ 「Coated」チーム
大島直己さん(立命館大経営学部卒)

 私たちは「カバン」をテーマに、就職活動にもビジネスにも通用するものを作製しました。パソコンとペットボトルが入るサイズで、色は黒。素材はさまざまな案が出ましたが、企業の方のアドバイスもあり、耐久性のあるナイロンに落ち着きました。総合優勝し、商品化にこぎつけましたが、残念ながら販売ノルマは達成できませんでした。力不足でしたし、やはり素人が簡単に商品化できるものでもないと感じました。

 Sカレ1期生、初代優勝--。当時、ゼミの西川英彦教授から「初代優勝者は歴史に残る」と言われたのですが、10年たった今、「本当にそうなった」と1年目の優勝の重みを感じています。質の高いSカレの中で、自分たちがそういった存在にさせてもらえ、本当に光栄です。

 西川ゼミに入ったのは、教授が企業からの講師を招くなどされていたので、マーケティングをさまざまな取り組みの中で学べると思ったからです。また経営学部でしたが、もともとデザインにも興味がありました。マーケティングにもデザインが必要と考えていましたので、Sカレがスタートし、参加できることになり、機会に恵まれたと感じていました。

 Sカレ1期生ということで、不安があったのではと聞かれますが、それよりも期待のほうが大きかったですね。教室の中だけでなく、インターネット上でユーザーの声を聞くことができるのは魅力的でした。社会に自分たちの企画を発信することで、友人に大学で何をやっているのかを伝えられることもうれしかったです。

 また1期生なので、企画の進め方やプレゼンテーションは自分たちが形を作っていけると思い、ワクワクしました。今でこそインターネットを利用したマーケティングは一般的ですが、当時は今ほど活発ではありませんでした。参加したチームの中でいち早くミクシィやグーにブログを作り、アイデアやコンセプトを発信し、インターネットを使ったマーケティング戦略に力を入れました。

 問題点を出し合い、徹底的に議論をして妥協をすることはありませんでした。メンバーそれぞれが試作品を出し、チーム内でコンペを実施しました。議論が白熱しすぎて、周囲から仲が悪いと勘違いされることもありました。しかし、商品を完成させたいために、適当に目の前の意見をまとめるだけになっていれば、きっと結果が出ていなかったのだろうと思います。

 今はインターネット・ビジネス・ジャパン(IBJ)でITコンサルティングをしています。おもに法人のIT研修やコンサルタントに携わっています。大手旅行会社様とご縁ができ、弊社とのコラボを企画し、商品化を実現しました。インドのシリコンバレーと呼ばれる都市でITと英語の両方を学べるという、これまでにないツアーです。

 まだ世の中にないものを、アイデアを出して商品化してお客様に提供することが働く面白さであり、自分が今仕事をする上で大事にしていることです。それを実現する上で、「こうしたい」という気持ちだけでは終わらせず最後までやりきる力や仲間との連携、交渉の仕方など、Sカレでの経験が社会に出てからも役に立ったのだと感じています。

 学生のみなさんがSカレで経験されたことは、間違いなく仕事に直結します。頑張った努力は、就活や社会人になった後の自分に返ってくるはずです。真剣にやっていれば、自分の強みや弱みにも気付きます。私たちのカバンは結果として売れませんでしたが、足りない部分に気付くことができました。Sカレの経験が自分を変えるためのヒントにもなりました。ぜひ、優勝を目指してください。【聞き手・江刺弘子】