OB・OGに聞く

互いに腹を割って向き合った仲間 「青春」を楽しんで

Sカレ4期総合優勝 立命館大西川ゼミ 「KANOW」チーム
周山祐末さん(立命館大経営学部卒)

 私たちが参加した2009年は、ちょうどSカレの規模が大きくなり始めた年で、前年の参加が8大学8ゼミだったのが、この年は12大学14ゼミになっていました。

 その中で総合優勝をいただいた企画は「キット、カッとけい」。テーマはお菓子のキットカットを使ってネスレブランドの周知を図ることだったので、懐中時計のようなものを作ってキットカットの懸賞にすることを提案しました。時計にしたのは「キットカット」が受験生の間で話題だったので、受験生が身につけて試験会場に持ち込めるものということからです。受験生だけでなく祖父母や友人などにプレゼントしてもらい、「あなたのことを見守っているよ」というメッセージを込めました。

 私たちのチームが活動するにあたって、ターニングポイントになったのが、ゼミ内での中間プレゼンテーションです。各チームが発表して、互いに評価するのですが、私たちの企画や意図することはだれにもまったく伝わりませんでした。結果を受けて私たちは本当にボロボロでした。

 ただコンセプトもゆるゆるで、プレゼンの内容も練られていないことは自分たちでもわかっていて、評価が低いのは当然でした。「このままではいけない。やるからには優勝を目指したい」。ここから巻き返しを図ったのです。

 この時だったと思います。「これからは、互いに腹を割ってやっていこう」。チームの仲間にこうはっきりと言いました。ボロボロの体験があったからこそ、チームの結束力が強まったのです。そんな仲間とは今でもとても仲良しです。

 私は1年間米国に留学したため、通常なら1学年下の学生とSカレに参加しました。留学中は一人で頑張ってきたので、復学した時はチームで何かに打ち込むことに力を注ぎたいと思っていました。もともと一人で取り組むことが好きな傾向にあったので、グループに身を置いて、きちんと仲間の意見に耳を傾け、それらを集約することを学びたかったのです。

 現在は複合機器メーカーの営業本部に在職しています。顧客である各企業の声を吸い上げ、それをどのようにサービスに生かしていくか、システムにどのように落とせばよいのか……。同じことをSカレでも経験しました。どうしたら考えていることを伝えられるのか、どうしたら喜んでもらえるのか、ターゲットは……。社会人になった今も、各部署の方々の力を借りて商品の提案をしています。

 ところで総合優勝した「キット、カッとけい」ですが、商品化は実現しませんでした。そもそも時計という手間がかかるもののうえ、「秒針の音は『キットカット』にしたい」などアイデアをたくさん盛り込んだためスペックが高くなり、商品化するには高額過ぎました。実現性を考えずに夢を詰め込むなんて、若かったなあと思います。

 Sカレは自分たちのアイデアを形にして、大人の前で発表できる数少ない機会です。やり遂げた後は本当にいい思い出になります。Sカレの期間中に就活もやっている学生はいましたが、私はSカレが終わるまで、就活に取り組むことはありませんでした。頑張る対象はSカレだけ、本当にまっすぐにやっていました。こんなことを言うと「青い」とか「若い」とか言われますが、Sカレにひたすら全力を注ぐことも、「青春でいいじゃん」と思っています。【聞き手・江刺弘子】