愛馬にまたがり牧場レストランまでランチに

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 趣味についてお聞かせください。乗馬がお好きだとうかがいました。

 「ニューヨークに住んでいた時に乗馬を始めましたが、もともと若いころから西部劇映画が好きで、それも派手なアクションのガンマンものよりも、カウボーイものが好きだったんです。お気に入りは、たとえば『赤い河』(1948年製作、監督ハワード・ホークス、主演ジョン・ウエイン)ですね。1万頭の牛を連れて大きな河を渡り、大平原を移動する難業を成し遂げる、武骨な男たちの姿にひかれました」

 実際に、北海道で馬を飼っていた時期もあるのですね。

「3年前までね。馬のある生活にあこがれ、馬がいる風景の中で仕事をしたかったのです。自分の2頭と預かっていた1頭を飼っていました。実際に馬を飼ってみて、『非常にプリミティブな生活なんだ』ということに気づきましたね。早く起き、まず牧柵が壊れていないかどうかを確かめるということから一日が始まる。そうしたなんでもないけど、非常に大事なスキルを持っているかどうかを問われたような気がしました」

 馬も人を見る、と言いますね。

「本当に人を見ますね。最初は心を閉ざしてね、受け入れようとしてくれないんです。馬によっても警戒心の強さは違うんですが、またがってもビクとも動いてくれない馬もいた。こっちの力量を見極めているんですね。

 これ、見てください。(渡された携帯端末には、愛馬にまたがり青々と広がる野原を悠然と進む佐々木の画像があった=写真右)。友人とランチを食べるために牧場レストランまで、7キロくらいあったかな。その途中の風景です」

 馬に乗って牧場レストランにランチですか?

「面白かったですよ。レストランには数人のオートバイライダーが先客でいたのですが、私たちの姿を見てキョトンとした表情をしてました」

 いくら北海道でも、馬に乗った男たちが野原の向こうから現れ、こっちに近づいてくるなんて、びっくりしたでしょうね。

「でしょうね。ほんとにキョトンと、口をあけて見とれてましたね。キョトンというのはああいうのを言うんだな。私たちはカレーを食べて、また馬にまたがって戻っていきましたよ」

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