「フライフィッシングの魅力は想像力の世界だということ」

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 趣味の話を聞かせてください。ハーレーダビッドソンに乗り始めたのはいつからですか。

「10年くらい前ですね。それまではコンパクトな街乗りタイプの、100CCの小回りのきくバイクを乗り回していました。でもね、信号待ちなどで大型バイクと並ぶと思うんですよ。『やっぱり、いい音させるなあ。大型じゃないとダメだなあ』と。それで大型免許の取得に挑戦して、免許交付のその日に渋谷のハーレーショップで買いました」

「しかし、ある程度予想していたとはいえ、ハーレーは問題も多いんですよ。いろいろありましたね。いまは実家に送って、親戚の子に預かってもらっています。忙しくて乗る時間がないのです」

 フライフィッシングは?

「15年くらいですね。だいたい伊豆の山中の川でニジマスやヤマメを狙っています。前からやりたかったんですが、一人でやるのは難しいし、どこに行ったらいいかもわからない。それで銀行を辞めてからライターになった時に、フライ狂で世界記録を持っているような人と知り合いになって、やっと始められました」

 「フライフィッシングの魅力は想像力の世界だということですね。小説を読むのと同じです。海の釣りと違って、とにかく頭を使いますね。釣れても釣れなくても面白い。そもそもほとんど釣れませんから。10匹以上釣ったのは今まで1回しかない」

 それでも興味が尽きないわけですか。

「そもそもフライフィッシングのシーズンは3月から9月ごろまでで、禁漁の時間が長い。その間、何をやっているかというと、知っている川の光景を思い浮かべ、フライを手作りしているんですよ。釣っている場面を脳裏に描きながらね」

「富士山ろくの忍野はフライフィッシングをやる人にとって、あこがれのエリアですが、ここの魚はよく勉強しているんです。フライフィッシングはキャッチ&リリースなので、何度か釣られた経験のある魚がいる。魚も上級者なんですね。魚と闘う知恵比べですね。人生を豊かにしてくれますよ。

でも去年は一度もフライフィッシングに行けなくてね。直木賞をとって忙しくなって…。今年はちゃんと心を入れ替えようと思っています」

  • JT
  • 日本推理作家協会