父ちゃんになる時間

子どもはオレのこと小説家ではなくて映画を作る人だと思ってる

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 「構想7年」というのは、小説界ではそう珍しいことではないかもしれない。でも、その結果、小説と連動して映画脚本を執筆し、なおかつ映画公開とほぼ並行して小説を発表する、というのは前代未聞かもしれない。しかも小説「人類資金」(講談社)は文庫本書き下ろし。映画「人類資金」(松竹)公開時までに4巻発行され、この後7巻まで続く。超多忙な生活の中で「仕事と一番無縁な時間」は、息子さんとのひと時という。

 お仕事が忙しい中、趣味嗜好を楽しむ時間はありますか。

 「子供と遊ぶ、これが一番ですね。男の子で、このあいだ7歳になった小学1年生です。このところ映画製作などで家にいる時間があまり多くないのですが、家にいる時はなるたけ子どもと一緒にいるようにしています。最近だいぶ生意気になってきましたけど」

 男の子と父親、何をして一緒に遊ぶのですか。

 「買い物に一緒に行くようにしています。それと男の子はやはりプラモデル作りが好き。オレが『機動戦士ガンダム』の仕事をしている関係で、ガンダムのプラモデルを一緒に作ったりします。作り方を教え、足りないものを買いに行ったりして、父ちゃんが作っているんだというところを見せてやれます」

 やはり、ガンダム好きの父親の影響が大きいのでしょうか。

 「幼稚園の頃はウルトラマンが大好きだったのに、幼稚園の終わりごろにウルトラマンを卒業して、ガンダムに変わってきました。あんなにずっとウルトラマンが好きだったのに、スッパリと変わったのには驚きました。どうも子ども同士、ウルトラマンは子ども向けで、もう卒業する時期だと、互いに見えを張るというか、大人ぶるようですね。驚きました。まあ、一種の通過儀礼のようなものですね」

 でも、オヤジの存在感は子どもに十分感じさせられましたね。

 「まだウルトラマンが大好きな時には、一緒にウルトラマンの映画を見に行きました。そのとき、もし父ちゃんがウルトラマンの新作を作ったら父親の立場は生涯安泰だろうと、実は当時、円谷プロに新作の企画案を持って行ったことがあるんです。まあ、実現はしませんでしたけど、その後すぐに子どもも完全にウルトラマンを卒業してしまって」

 結構、いいお父さんのようですね。

 「帰宅した時は子どもの寝顔しか見ないという世の中の多くの父親とは違って、うちは結構密な関係だと思います。夏は家族で一緒にプールにも行きましたし。このあいだも自分で本を作ると言い出して、作り方を父親のオレに聞いてくるんです。何を作るのかと見ていたら、紙を5、6枚束ねて、めちゃくちゃシュールな絵本を作っていました」

 かわいいですね。やはり作家の子は作家? 将来は何になりたいと?

 「大人になったら父ちゃんと同じ仕事をしたいと。でも、子どもはオレのことを小説家だとは思っていなくて、本を作るより映画を作る人だと思っているようで。そちらの方に憧れている模様ですね」

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