「僕はラテンです」

行き当たりばったりのブラリ裏街道

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 生と死を決める医療現場で働く医師や看護師たち。良くも悪くもその人間的な姿を赤裸々に生体解剖した小説「バチスタ」シリーズは、テレビドラマや映画にもなり、人気を博した。綿密なミステリー構成の下、少々毒のあるシャレた会話が交わされつつ核心に迫る小説群は、きっと細心な神経の持ち主によって書かれたものと多くの読者は想像するだろう。ところが、当のご本人は「私のポリシーは行き当たりばったりです」などとけむに巻く。郷に入っては郷に従えとばかり、インタビューもざっくばらんに、行き当たりばったりで。

 オフタイムは何をされていますか。

 「時間的に一番多いのは散歩です。1週間に3日、歩きます。運動不足解消のためです。でもテーマがあって、今は最寄りのターミナル駅まで片道1時間、いろんな道を通ってボンヤリ歩くこと。今住んでいるところから、例えば東京駅、新宿駅、渋谷駅、池袋駅までとか、暇に任せて歩きます。時々、古本屋に捕まったり、暑い日はコンビニで涼んだり。行き当たりばったりですけど」

 山手線の内側に住んでいると、結構歩いてあちこち行けますね。今はスマホなどで地図もわかりやすいですからね。

 「ケータイのマップがすごく有効ですね。でも、僕はへそ曲がりなので、案内通り行かないことがある。一つ前の小さな駅に行こうとして、結局メインのターミナル駅に行けなかったという、致命的な間違いを以前したことがあります。このあいだも、早稲田かいわいを歩いていて、汗をかいたので、昔懐かしいような銭湯に入りました。その後、汗がひかないので、知らない居酒屋でビールを1杯飲んで、帰りはメトロで自宅まで帰りました。ブラリ裏街道といった散歩です」

 健康管理には注意されているんですか。

 「座って原稿を書くという、基本的には不健康な生活ですからねえ。以前、千葉県に住んでいた頃は週3回スポーツジムに通っていました。東京に移ってからこちらのジムの会員にはなったんですが、この4年間一度も行っていないですねえ。あ、会費は自動引き落としなので、もったいないですね、節約しないと。確か、サッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会の時に入って、今はブラジル大会が終わってしまいましたねえ。生活スタイルが崩れてしまうと、運動もやらなくなるもんですね」

 サッカーW杯はご覧になりましたか。

 「日本の第1試合でしたか、コートジボワール戦。途中から見ました。本田選手が得点した後、後半ドログバ選手が出てきて2点取られたところまで。あとの試合は見ていません」

 サッカーそのものはお好きなんですか。

 「小学校の頃、地域の大会で得点王になったことがあります。まあ、そんなにすごくはないですけど。ウイングの逆サイドのヤツがうまくて、そいつがゴール前に上げたボールを、僕は単に押し込む役。今は見るのが好きです」

 では、今大会の日本チームはどんな印象でしたか。

 「4年前に比べて、ボールが動いていないと感じました。攻撃せずに、ボールを横に回すだけで、平行移動。ゴールに近づけないという感じですね」

 もし、監督を任されて、「海堂ジャパン」を率いるとしたら、どんな選手を集めますか。

 「戦わないヤツは去れ、ゴールを狙わないヤツは帰れ、ですよ。そうでないヤツだけを集めますね。もっとオレがオレがというヤツがいないのか、不思議です。みんな優しい人なのかな。0対5で負けるか、7対0で勝つか。3対4で負けるくらいがいいかな。1対0で勝つのが一番性に合わない」

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