「ヌイと生きる」

縫いぐるみがほぼ4000を超えています

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 幼稚園児のころから「小説家になる」と宣言?していた新井素子さん(54)は、今でも珍しい高校2年生でのデビューという早熟作家。祖父、両親ともが大手出版社勤務の編集者だったこともあり、「家の中が書籍の山でしたから、小さいころから本はよく読んでいました」。今も読書好きで、「私は小説家というより読書家です」と笑う。そんな本好きの宿命は、蔵書のボリュームに家が耐えられるかどうか。「そのために家を建てました」と今も本に囲まれている生活だが、もう一つ、ある膨大な数量のものにも囲まれているという。早速、その話題から。

 縫いぐるみがお好きで、その数も半端ではないと伺いましたが。

 「ほぼ4000を超えています。4000を超えてから数えていないので、4が5か6になっているかもしれません」

 人形ではないのですね。

 「人形とは明確に違います」

 4000としても、そんな多くの縫いぐるみは、どこに、どうやって置いているんですか。

 「家じゅうのドアより高いところに棚をめぐらせています。全長36メートルになります。そこにヌイ(縫いぐるみ)を並ばせています」

 数え方は、どうなんですか。何匹と言っていいのか、何頭か、何個、何体ですか。

 「動物系が多いから何匹とか、キリンだったら何頭かな。魚はどうなのか、食パンもありますよ。どう数えたらいいのか。バクテリアのヌイもありますけど、なんて数えるの?」

 大きさもいろいろですか。

 「うちで最大のものはクジラです。長さ2・5メートル、幅1・5メートルもあって、夫が私の誕生日祝いにプレゼントしてくれたものです。銀座の博品館の中二階にディスプレーしていたものですが、ワゴンタクシーで持って帰ろうとしても、大きすぎて入らないサイズ。結局、運送屋さんに頼みました。最小ですと、3センチくらいのもの。まあ、平均10センチほどのものが多いですね」

 大きいものは梱包こんぽうの際、折り曲げてでも押し込んでしまうんですか。

 「そんなにして梱包したら、その人を私は殴ります」

 クジラなどやはり動物系が多いんですか。

 「圧倒的に動物系が多くて、他には物品系というのもあります。動物の中でも、縫いぐるみのスタンダードは熊とウサギですが、うちはワニが一番多いです。108まで数えていましたが、今は200弱はあると思います」

 動物のワニがもともと好きだったんですか。

 「というより、小学校4年か5年の時、妹がプレゼントされたワニの縫いぐるみが好きになって、それがきっかけでどんどん増えて、中学・高校のころは20から30くらい持っていました」

 まあ、普通の女の子としては多いんでしょうね。

 「ただ、その後が大問題。私、高校2年生で作家デビューしたんですが、取材が殺到しまして、その際に縫いぐるみとカップリングで写真撮影がありました。そんな露出が続くと、その次からうちに取材に来る人が皆さん、どんどん縫いぐるみを持ってくる。高2の女の子にはちょうどいいと思ったんでしょう。それにサイン会を開いたら、読者の方が結構縫いぐるみを持ってきて下さって、あっという間に1000を超えました。縫いぐるみって単価が安いんです。大体数百円のもので、2000円や3000円を超えるものはあんまりない。手土産にはちょうどいいんです」

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