朝起きて急に思い立って旅に出たいと行くことも

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 「催眠」の後も、ベストセラーを次々と出して、しかも「千里眼」「万能鑑定士Q」「特等添乗員」などのシリーズものが人気と、多忙で順調な作家生活を送っています。ゆっくり休む時間はあるんですか。

 「酒とたばこをやめた後は、クルマと旅行が趣味になり、新しい楽しみができました。アストン・マーチンなどに乗ってドライブするのが楽しいですね。今はベンツSクラスに乗っています。西日本に行くことが多く、1日目は東京から京都や大阪に行って、2日目は四国や九州に行く。西日本は魚介類がおいしいですね。温泉も好きです。地方に行くと、そこらへんの店で食べるものが、都会のレストランと同じくらいおいしい。だいたい2週間くらい回る旅が多く、ツボにはまっています」

 西日本が多いわけは何かあるんですか。

 「なぜだか、西に行くとどんどんワイルドになっていくでしょう。南に行くにつれて台湾に近くなる。そうすると、行くところ行くところ、何となく台湾ぽくなってくる。宮古島や石垣島では、きれいな海でダイビングを楽しんでいます。宮古牛はおいしいですよ。野菜もおいしい。作家はフリーランスで個人事業主。時間が自由に使えるのがいいし、平日に行けますからね。2010年から2カ月に1冊、1年に6冊出版していますが、1冊書き上げた後、ゲラが出るまで2週間空くので、それを利用して旅に出ます」

 混まない平日に行けるのがいいですね。

 「朝起きて、急に思い立って旅に出たいと行くこともあります。いつかはテレビの週間天気予報を見ていたら、東京がずっと雨が続くのに、沖縄の宮古島は1週間晴れと出ていたので、これは宮古に行こうと。今はネットで航空機もホテルもレンタカーも予約でき、クレジットで引き落とせる時代になりました。これはヤバいですよ。僕らの若いころに比べると夢みたいです。時間が空いたら行ってしまいますよ」

 

 海外旅行もよく行かれる?

 「1年に5、6回は行っています。1回の旅行は2週間ほど。すでに30カ国以上は行っていますね。はじめはヨーロッパ、次にアジア、そしてアフリカ、インド、中東も面白かった。南米はまだ、これからです。中米のキューバ、ジャマイカあたりから南下して行きたいですね」

 旅の楽しみ方はいろいろありますね。行く先々の歴史の地を回るのが好きという人もいますが。

 「うちの奥さんはそういうのに興味ないようで、見た目が楽しいかどうかです。僕も下調べせずに行って、何も知らずに行って、楽しかったら後から調べる、そういう楽しみ方があってもいいかと」

 そんなに世界各地を回る旅をしていたら、小説のネタがたくさんつかめますね。

 「それを『特等添乗員』シリーズの中で書いています。作家は個人事業主なので、 取材費を有意義に使うために、旅行を題材にしたシリーズを始めたんです。小説というのは、印刷所に入稿するまでは自費による制作です。版元が出してくれるという場合でも、自分で払ったほうが、編集者と意見が合わなかった時に版元が替えられて便利です。自費なら計算して効率よく使うので、結果的によい旅行になります」

  • JT
  • 日本推理作家協会