知の遺産

第1回  栄華物語(奈良絵本)
土佐派の流れをくむ絵師の筆によって描かれた
江戸中期の奈良絵本
東海大学付属図書館蔵

2013年5月1日掲出

「栄華物語」は平安後期の歴史物語で、正編三十巻・続編十巻からなる。正編の成立は1028年〜37年頃、続編は1092年頃と思われる。作者は未詳。宇多天皇から堀河天皇の寛治6年(1092年)までの約200年間を、編年体で物語風に記述している。藤原道長の栄華を中心に宮廷生活を描いた、源氏物語の影響が強い作品である。「世継物語」とも言われている。

 掲載した絵は、巻第一七「おむがく(音楽)」の一場面である。巻一七は治安2年(1022年)7月、藤原道長が後一条天皇の行幸のもとに法成寺金堂の落慶供養を行った時の記述である。その折に高貴な女性達が境内を牛車で見物して廻るのであるが、御車が普通の車より少し小さいため、「をのづから御衣のわざとならずはつかにはづれて出でたる程の匂・有様」(わざわざ押し出したのではなく、成り行きで自然に袖口や裾などが僅かに車外に出ている様の魅力的な美しさや様子)を描いたのがこの場面である。

(記事提供:東海大学後援会誌「TOKAI」170号)

関連リンク:東海大学付属図書館
http://www.time.u-tokai.ac.jp/

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土佐派の流れをくむ絵師の筆によって描かれた江戸中期の奈良絵本5月1日掲出