知の遺産

第4回 伊勢物語 恋愛、友情、別離 奔放に生きた貴公子の伝説

2014年2月3日掲出

 平安時代の代表的な歌物語である「伊勢物語」の主人公は、放埓で情熱に生きた歌人として有名な在原業平がモデルとされる。

 作者は不詳だが、業平の縁者、もしくは業平を崇敬する者の作ではないかと考えられている。書名の「伊勢」は作中に登場する「伊勢斎宮」より採用されたのではないかとの説があるが、真否は定かではない。

 「昔、男……」と始まるこの物語は、業平の詠んだ和歌30首あまりを散りばめ、伝説化された業平の恋愛譚を中心として、若年から老年に至るまでの一代記として描いている。

 物語の成立以来、歌人に愛読され、注釈書も非常に多い。伝本についても、藤原定家書写の系統によるものや略本など、多くの系統が存在している。

 本学所蔵のものは、藤原定家書写本の流れを汲む室町中期の写本である。保存状態が良く、流麗な書体を特徴としている。

(記事提供:東海大学後援会誌「TOKAI」173号)

関連リンク:東海大学付属図書館
http://www.time.u-tokai.ac.jp/

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