知の遺産

第6回 源氏物語系図(九条家旧蔵本) 古くから伝わる源氏物語のガイドブック

2014年8月1日掲出

 「源氏物語系図」は、「源氏物語」の複雑な登場人物を理解するために、作中人物を皇族・大臣・殿上人・受領の順に各家系ごとにまとめ、系図化したものである。各時代の系図における物語の巻数や内容の相異、登場人物の呼び名などを研究することにより、源氏物語流布の過程をうかがうことができる。

 今回紹介する系図は、五摂家の一つ九条家に伝来したものである。巻首と巻尾の部分に欠損がみられ、相当な損傷ならびに虫食いがあるが、これらの箇所は丁寧な補修が施されている。補修はかなり古く、「九条」の蔵印はこの補修前に押印されたものと思われる。また、現存する古系図中の唯一の例として、裏書が存在する。

 本書について、源氏物語研究で有名な故池田亀鑑博士は、「鎌倉時代の初期を下るものではあるまい。その字形・書風からすると平安朝に入るものかと思われる」と述べている。現存する古系図の中で最も古く貴重な資料である。

文・付属図書館

(記事提供:東海大学後援会誌「TOKAI」175号)

関連リンク:東海大学付属図書館
http://www.time.u-tokai.ac.jp/

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